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苛酷な労働環境、多額の税金…医師が置かれる厳しい現実とは?

10/12(金) 14:30配信

幻冬舎ゴールドオンライン

高齢者の増加により、医師不足がますます深刻化

日本では人口が減少する一方で、高齢者が増加し続けています。内閣府が発表した『平成30年版 高齢社会白書(概要版)』によると、2017年の65歳以上人口は3515万人。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は27.7%へ到達しました。

2042年には3935万人でピークを迎え、その後は減少に転じますが、高齢化率は上昇傾向にあると推計されています。2065年には高齢化率38.4%に達する見込みです。

これに伴って深刻化しているのが、医師の不足です。

医師の数は近年、年次で4000人ほど増加している(死亡等を除く)のですが、それでもまだまだ足りていません。『経済協力開発機構(OECD)調査』によれば、日本の人口1000人当たりの臨床医数は加盟国の下から4番目となっており、日本の医師不足が浮き彫りになっています。

過酷な勤務状況による、医師自身の健康不安も

今、日本の医師は、非常に過酷な状況に置かれているのです。それを実証するように、全国医師ユニオンが母体となる「勤務医労働実態調査2017実行委員会」のアンケート『勤務医労働実態調査2017 最終報告 全文』には、次のような回答が寄せられています。

「あなたの業務負担は、この2年間で変わりましたか」という問いに対して、「減った」という回答は16.2%。「変わらない」という回答が39%。「増えた」という回答が43.8%。つまり、「増えた」という回答が半数近くを占めているのです。

1週間の実働時間を尋ねると、初期研修医で64.4時間、当直ありの病院勤務医で58.8時間。このことから24時間体制を担う医師が、過重な労働を行っていることがうかがえます。

このような過酷な勤務状況ですから、医師の健康不安も深刻です。「健康に不安」や「病気がち」と答えた医師は40.1%。皮肉なことに、患者の命や健康を守る医師の約4割が、健康に不安を持っているのです。病気がちである医師が2.9%いることも看過できません。

つい最近のニュースでは、2次救急指定されている茨城県の公立病院にて、2017年度、全体の約18%にあたる勤務医23人に時間外労働の「過労死ライン(月80時間)」を超える月があったことが、情報公開請求で入手した文書で分かったと毎日新聞で報じられていました(2018年6月1日)。

時間外労働が年間計1146時間にのぼった医師もいるそうで、医師の不足や偏在を背景に、24時間対応の総合病院で過酷な労働が常態化している現状が浮かび上がりました。

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