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宗教迫害が基本だった中国政府が、バチカンに歩み寄る「真の狙い」

10/12(金) 9:00配信

現代ビジネス

6800万信徒の約6割が非合法

 9月22日、中国外交部の公式サイトに『中国とバチカンは関連問題について暫定協議書に署名』と題する文章が掲載された。その文面には次のように書かれていた。

 〈 2018年9月22日、中国外交部副部長の王超とバチカン代表団団長で、ローマ法王庁と各国関係部部長のカミッレーリは北京で会談を行い、司教任命に関する暫定協議書に署名した。中国・バチカン双方は交流を維持し、双方関係の改善プロセスを推し進め、前向きな発展を継続する 〉

 中国政府「国家宗教事務局」が発表している「中国宗教概況」によれば、中国のキリスト教は“天主教(カトリック)”と“基督教(プロテスタント)”に大別される。前者は7世紀から何度も中国へ流入したのに対し、後者は19世紀初頭に中国へ流入したが、共に1840年から2年間にわたって英国・清朝間で行われたアヘン戦争の終結後に大規模に流入した。

 現有規模は、カトリックが信者約550万人、神父約7000人、教会および集会所約6000カ所であるのに対して、プロテスタントは信者約2300万人、牧師約3.7万人、教会2.5万ヵ所、簡易活動拠点3万ヵ所余りとなっている。

 ただし、上記の数字はあくまで、国外の宗教団体と袂を分かち、国家宗教事務局の指導と監督を受ける“三自教会”と呼ばれる、中国政府が認めているキリスト教の現有規模である。

 三自教会とは、中国のキリスト教から「国外の“敵対勢力”」を排除しようとする中国共産党に妥協して、国外のキリスト教から独立して中国独自のキリスト教を目指す教会である。そこに含まれるのは、カトリックの「中国天主教愛国会」と「中国天主教主教団」、プロテスタントの「三自愛国教会」だけであり、三自教会に含まれない非公認のキリスト教は含まれていない。

 三自教会に含まれないのは、ローマ法王の指導を受けるカトリックと、伝道を重視する福音派を主体とするプロテスタントである。彼らは国家宗教事務局の監督や干渉を嫌い、非公認キリスト教に対する取締りを逃れて秘密裏に活動していることから「地下教会」と呼ばれている。

 上述のように中国政府公認の三自教会の信者は約2850万人(カトリック約550万人+プロテスタント約2300万人)だが、地下教会の信者がどれほどいるかの数字はない。しかし、一説には中国のキリスト教徒は全体で6800万人と推定されると言われているので、それから三自教会の2850万人を差し引くと、地下教会の信者は約3950万人となり、その内訳はカトリック1000万人、プロテスタント2950万人と想定される。

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最終更新:10/12(金) 9:00
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