ここから本文です

夫の突然死後の「腫れ物扱い」が苦しくて…かわいそう、はもうやめて

10/12(金) 11:00配信

現代ビジネス

 ある日突然の夫の死。それも一人で就寝中に亡くなったことから警察が介入し、検視・解剖をへても「死因不詳」――。人の死にまつわる死生学の調査研究をする立場だった小谷みどりさんは、こんな体験を経て、「配偶者と死別した人」のその後の生き方も課題にしていこうと考えた。小谷さんや周囲で配偶者と死別した仲間たちの実体験と思い、そして具体的な提案をまとめたのが『没イチ パートナーを亡くしてからの生き方』だ。

 今回は本書に基づき、夫が突然亡くなった日のことを書いた第一回(「朝起きたら、横にいる夫が死んでいた日の話」)に続き、今回は亡くしてからの周囲と関係と、パートナーを亡くした人たちで「没イチ会」を作った経緯と理由を語る。

夫が亡くなった1週間後の講演仕事

突然の夫の死で始まったゴールデンウィークが明けた翌日から、私は何事もなかっ
たかのように出勤しました。講演は半年以上も前から入っており、相手があること
もあってキャンセルしづらい状況でした。 しかも、私の専門分野は死生学なので、依頼される講演の内容は終活や葬送に関するものがほとんど。つい1週間ほど前に夫が突然亡くなったのに、死について客観的に、笑いを交えて平然と講演をこなさなければならないというのは、実はとても精神的につらく、また、夫に申し訳ないという気持ちで一杯でした。

 ちょうど仏教でいうと、四十九日にあたる日、私はある地方都市で、僧侶たちへの講演の仕事がありました。僧侶たちを前に講演のなかでつい口がすべり、「今日は夫の四十九日です」と言ったところ、「そんな日に来るな」と一人の僧侶に怒られました。お坊さんにしてみたら、仏事より仕事を優先した私を許せないと思ったのでしょう。

 また別の僧侶は、「死別してまだ間がないのだから、楽しそうにしない方がいい。後ろ指を差されるから」と、忠告してくれました。これにも、「配偶者と死に別れた人は笑うことも、楽しむことも許されないのか」と、びっくりしたものです。

 今まで、私自身、配偶者を亡くした人にそんなことを感じたことはなかったのですが、そんな風に世間が見ているのだということを、この僧侶のおかげで初めて気づくことができました。

1/4ページ

最終更新:10/12(金) 11:00
現代ビジネス

記事提供社からのご案内(外部サイト)

「現代ビジネスプレミアム」

講談社『現代ビジネス』

月額1000円(税抜)

現代ビジネスプレミアムは「現代ビジネス」の有料会員サービスです。2万本以上の有料記事が読み放題!会員だけの特別記事も配信。豪華ゲストによるセミナーも開催中。

Yahoo!ニュースからのお知らせ