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今季22本塁打の超詳細データから、打者・大谷翔平の弱点を探してみた。

10/12(金) 17:31配信

Number Web

 読書の秋、食欲の秋、芸術の秋。でも今年は、データの秋……。

 Number963号の大谷翔平特集に掲載する「大谷翔平2018全ホームラン」ページ作成のため、この秋はMLBのデータ解析システム「スタットキャスト」と真正面から向き合ってみた。

 なにしろ和製ベーブ・ルースは、104試合で22ものアーチを放ってらっしゃる。その飛距離、打球速度、打球方向、対戦投手、球速、球種、イニング、カウント、走者、何打席目かを徹底的に調べ上げる。

 小早川毅彦さんによるホームラン解説の取材も終わり、連日の深夜作業の末に、無事誌面も完成。ふーっと一息ついていたら、鬼デスクからこんな指令が飛んできた。

 「今回調べたホームランのデータを基に、打者・大谷の弱点を調べて、NumberWeb用の記事を書いてくれ」

 データの秋、延長戦に突入。とはいえデスク、簡単に「弱点」と言われましてもねぇ。

HRの平均飛距離は125.14m。

 今季、大谷が放ったホームランの平均飛距離は125.14m(ちなみにエンゼルスタジアムのホームからセンターフェンスまでの距離は121.9m)。平均打球速度は、171.22km。しかも22本のうち、ライト方向8本、センター9本、レフト5本と、広角に打ち分けている。

 重さ約148gのボールを、テニスの錦織圭のサーブ並みのスピードで、あらゆる方向に125m以上もぶっ飛ばす。そんなパワーと技術を持つ怪物に、弱点なんてあるのだろうか。

 開幕当初、メジャーの投手たちは、その「弱点」の1つが内角だと思っていたはずだ。4月3日、本拠地デビュー戦で放った初ホームランこそ、内角への118.4kmのカーブをすくい上げたものの、その後の2号、3号は外角への速球。

 そこから20日近く一発は出ていなかったから、きっと対戦投手は「内角に速いボールさえ投げておけば、ホームランはない」と分析していただろう。

小早川が衝撃を受けた打ち方。

 ところが4月27日、早くも「大谷分析」は修正が必要になる。ヤンキース戦の2回裏、先発ルイス・セベリーノが内角に投じた156.4kmのフォーシームを、ライトスタンドに弾き返した。

 この一打を、小早川氏はこう解説する。

 「おそらく投手として、あの球は『打たれることはない』と確信したボールだったと思います。内角の速い球というのは、それだけ打者にとって難しいのです。決して失投ではありません。ところが、それをスタンドまで運んでしまった。さらに、私が衝撃を受けたのは打ち方です――」

 ここから小早川氏は、プロの世界でホームランを打ち続けた者にしか分からない、ディープな技術論と、あの1本が対戦相手にもたらすダメージを語ってくれた。

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最終更新:10/12(金) 19:26
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