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三菱UFJ頭取「さらば年功序列」宣言 いま変わらなければ銀行は“絶滅”する【全文公開】ーー文藝春秋特選記事

10/12(金) 11:00配信 有料

文春オンライン

三菱UFJ頭取「さらば年功序列」宣言 いま変わらなければ銀行は“絶滅”する【全文公開】ーー文藝春秋特選記事

三菱UFJ銀行頭取 三毛兼承氏

 肩の力を抜き、丹田に力を入れて木刀を構える。柄を持つ左手で剣先を起こした瞬間、眼前に相手の面をイメージしてパッと落とす――。

 私は、帰宅後に木刀で素振りをすることを日課にしています。精神を集中して約200本。出張に木刀を持っていくことはしませんが、それ以外の日には毎晩欠かしません。

 素振りを始めたのは、今から20年近く前、アメリカのニューヨーク支店に勤務していた頃でした。私は学生時代に剣道を始め、段位は4段です。ニューヨークでは、8段の師に稽古をつけてもらっていました。その師がこう言ったのです。

「君はまだ、素振りが足りないな」

 この師匠の一言で素振りの重要性に改めて気づき、それ以降、毎日素振りをすることにしました。

 ニューヨーク支店を離れた後、国内に戻り、その後タイにも赴任しましたが、「帰宅後の素振り200本」は、ずっと自分に課してきました。昨年6月に頭取に就任してからも、この習慣は続けています。

 一心に木刀を振っていると、その日にあった仕事のことを忘れ、その瞬間だけは無心になれます。また、困難な状況の中にあっても、素振りをすると精神がリセットされるような気がするのです。

 私が身を置いている銀行業界は、近年、多くの困難な課題に直面してきました。着実に進行する少子高齢化と人口減少、常態化する経済の低成長と超低金利状態。そして、急速に進展するデジタル化は、日本社会の根幹を大きく変えようとしています。頭取に就任した直後から、私はこの数年考えてきたことを思い切って公言してきました。

「伝統的な商業銀行モデルは構造不況化している」

 銀行モデルと現実のビジネスの乖離は、もはや従来型の改善の積み重ねでは対処できない段階にまで進行してしまっています。 本文:8,617文字 写真:2枚

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浪川 攻/文藝春秋 2018年10月号

最終更新:10/12(金) 11:00
記事提供期間:2018/10/12(金)~2019/6/9(日)
文春オンライン