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公衆喫煙所は迷惑施設か 分煙策なのに住民から反発も

10/13(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 東京五輪・パラリンピックを契機に喫煙規制が強まるなか、開設の機運が高まっている公衆喫煙所。だが煙やにおいが外に漏れ出すことに嫌悪感を抱く人は多く、作る場所を探すのも一苦労だ。大会の競技会場となる幕張メッセを抱える千葉市は、このほど最寄りの海浜幕張駅で公衆喫煙所の実験を始めた。住民から嫌われても必要な「迷惑施設」として定着するのか。
 「路上喫煙は直ちに過料2000円」。海浜幕張駅の改札を出ると、そんな看板が目に飛び込んでくる。同駅周辺は千葉市の条例で路上喫煙の重点取り締まり地域に指定されており、巡回員が違反に目を光らせている。市として初めてとなる公衆喫煙所は、そこから歩いて2分程度の鉄道のガード下にある。
 高さ3メートルの壁で囲われた、広さ28平方メートルの一角。10月9日午後1時にオープンすると、喫煙者が次々と吸い込まれていく。「職場では喫煙所が片隅に追いやられ、年々狭くなっている。近くに公衆の施設があると助かる」と話すのは59歳の男性サラリーマン。「周囲の目が厳しくて」と、同市で規制されていない加熱式たばこを吸う男性もいた。喫煙者からは総じて好評のようだ。
 もっとも千葉市にとっては、計画から開設まで2年半を要する「難事業」だった。最大の理由は場所の選定だ。「駅から近くなければ喫煙者を誘導できない。一方で、人通りは少ないほどよい」(廃棄物対策課の天野泰男課長補佐)。この矛盾する命題を解決する場所として、同市が選んだのが鉄道のガード下だ。

■過去には住民の反対運動で頓挫

 喫煙所の煙をどう排出するかも難題だった。密閉した構造だと内部にこもった煙がドアの隙間から漏れ出して通行人にかかる恐れがある。通気性を良くするため、あえて屋根を設けない構造にすることにしたが、今度は線路上に煙が立ちのぼり列車の運行に差し障る懸念が出てきた。
 そこで千葉市は喫煙所内部の片側に送風ファン3台、反対側に吸気ファン3台を取り付け、煙を喫煙所の裏側に吐き出す方式を採り入れた。屋根のない簡易な喫煙所で、ここまでの重装備は珍しいという。万全の対策を講じたうえで、周辺の住民自治会や商業施設、鉄道会社などを回り了解をとりつけた。
 千葉市には苦い経験がある。09年に千葉駅前のロータリーに喫煙所をつくろうとしたところ、住民の反対運動にあって頓挫したのだ。「公共的な空間は原則禁煙であるべきで、喫煙所は受動喫煙の被害を及ぼす恐れがある。その維持管理に税金を投じ、喫煙を奨励する必要はない」という内容の陳情が、市議会で採択された。
 たばこの煙やにおいに対する住民の拒否反応が強まるなか、千葉市は11年に路上喫煙に過料を科す条例を施行し、違反者を厳しく取り締まってきた。担当者が週4日、定期的に重点地域を巡回。ほかに住民から「吸っている人がいる」と通報を受けるたびに、担当者が現場に急行する。
 それでも路上喫煙はなくならない。海浜幕張駅周辺など重点地域4カ所の過料処分はここ3年、合計800~900件と横ばいが続いている。この数字に含まれているもの以外にも、「ふざけるな」「殺すぞ」などと巡回員を脅し、過料を払わずに立ち去る人が後を絶たないという。
 いったん頓挫した公衆喫煙所に同市が再び取り組むことにしたのは、こうした路上喫煙の削減につながると考えたためだ。「住民から喫煙所が嫌われているのは事実だが、路上喫煙で効果があがれば納得してもらえるはず」と廃棄物対策課の天野課長補佐は期待する。
 当初は想定していなかった事情もある。東京五輪・パラリンピックを契機に加速する屋内禁煙の流れだ。千葉市も従業員を雇う飲食店を原則禁煙とする条例を20年4月に施行する。国の基準より厳しく、東京都とほぼ同水準の内容で、市内の約3200の飲食店の7割が規制対象となる見通しだ。

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最終更新:10/13(土) 12:20
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