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旭日旗から中国美人女優の失踪問題まで 今年も政治が持ち込まれた釜山国際映画祭

10/15(月) 19:11配信

ニューズウィーク日本版

政治的な対立を終息させた映画祭に論争を呼び起こしたのは、政治的な踏み絵というべきメディアによる愚問だった

今年もこの季節がやって来た。アジアを代表する映画祭のひとつと言っても過言ではない釜山国際映画祭が10月4日、華々しく開会された。映画関係者はニュースで釜山国際映画祭の話題を見ると秋の訪れを感じる。

【動画】旭日旗問題について答える國村隼

2014年、セウォル号沈没事故を扱ったドキュメンタリー映画『ダイビング・ベル』の上映中止をめぐって映画関係者が主催者と対立して以降、ボイコットが続いていた釜山国際映画祭だったが、今年は映画関連9団体がすべて復帰。和合と正常化元年を宣言してのスタートだった。だが、何事にもトラブルはつきもの。映画祭開幕直後の6日、台風25号“コンレイ“が釜山を直撃。毎年恒例の海辺でのイベントや舞台あいさつなどがキャンセルされたり、場所を移動して開催せざるを得ない状況となった。また、話題を集めたのが日本から審査員として参加した俳優・國村隼への記者会見での質問だった。

國村隼は、2016年に公開されヒットした韓国映画『哭声/コクソン』に出演し、韓国でもよく知られた日本人俳優の一人だ。今回の映画祭でコンペディション部門であるニュー・カレンツ賞の審査員に起用されたのもそのためだろう。そんな國村に対して、10月4日ニューカレンツ審査員の記者会見の場で、韓国メディア「オー・マイ・ニュース」の記者が、「済州島で行われる国際観艦式に、日本の軍艦が旭日旗を掲げ参加すると告知してきた事に関して“俳優として“どう思うか?」という質問を投げかけた。

しかし、この質問の意図は“俳優として“というよりも“日本人として“國村がどう思っているのかを問うものだろう。韓国人と政治など深い話題になったことがある人や、韓国在住の日本人なら何度か遭遇したであろうこの状況。韓国では日韓関係についてときに「それで、あなたはどっち派なの?」といった思想信条を試すような質問をされることがある。そんな状況で人気俳優や有名人がこの答えを間違ってしまったら、その後の活動にも影響が出てしまうかもしれない。

今回のこの記者の問いに対し、國村準は「申し訳ありませんがその内容についてよく把握していないため、もう少し詳しく説明してくれないか?」と記者に再度詳しい内容を説明してもらい、旭日旗について「日本海軍自衛隊の伝統のある旗だと知っているが、あの旗に対する思いの違いは僕よりも上の世代だと、韓国の方は不快に思われる意味合いをあの旗がもっている事は非常に理解できる。自衛隊は旭日旗が伝統なので意見を曲げないということよりも、そのことで不快に思われる人たちの思いを汲むべきだろうと個人的には考えている」と発言した。

また、「今の日本政府は旭日旗問題だけでなく、色々な面で保守的な色合いを強めているということが、日本国内でも問題になっているので、(今回の旭日旗の問題も)そういう流れの中のひとつかな、と思います。個人的にはその旗にこだわる必要はないじゃないかと思う」と個人の意見を述べた。

この会見については韓国、そして日本でも大きく報道された。これに対し、釜山国際映画祭側は7日、チョン・ヤンジュン執行委員長名義の公式謝罪文を発表。「映画祭は政治的な意見や敏感な問題からゲストを守る必要がある。何十時間討論しなければならないような問題を記者会見の短時間で十分にその意味を伝えることは難しい」とし、記者会見の進行の不手際を謝罪することとなった。韓国メディアも多くはこの質問をしたメディアとそれを許してしまった映画祭実行委員会に対して批判的な報道をしていた。

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