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ファイターズがCS敗退するも、栗山英樹は人知れず未来へ種を蒔いた

10/16(火) 13:24配信

webスポルティーバ

「送りたかったね、最後ね……」

 栗山英樹監督はそう呟いた。

 勝った方がファイナルステージに進むことができるパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦。2-5とホークスにリードを許し、3点を追うファイターズは9回表の攻撃を迎えていた。

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 ツーアウトから7番の鶴岡慎也がライト前ヒットで出塁し、バッターボックスには8番の田中賢介がいた。そして、ネクストバッターズサークルには、清宮幸太郎――このステージ、オズワルド・アルシアがDHに入り、好調をキープしていたため、清宮はスターティングラインアップから外れていた。その清宮が最後、代打として準備をしていた。田中が出塁すれば、ホームランで同点、というシチュエーションが用意される。

 しかし、それは叶わなかった。

 田中がセカンドフライを打ち上げ、試合は終わった。清宮に劇的なドラマを描くチャンスは巡ってこなかった。その場面を振り返って、清宮をそういう局面でバッターボックスに「送りたかった」と、栗山監督は言ったのだ。

 2018年のファイターズ、じつは開幕前の下馬評は最悪だった。

 一昨年、日本一に輝きながら、去年は23もの借金を背負っての5位。しかもオフには大谷翔平、増井浩俊、大野奨太の主力3人が抜けた。開幕前の順位予想は軒並みBクラス、その多くが最下位という逆風の中、思えば栗山監督はキャンプ中、こんな話をしていた。

「誰かが抜ければ、誰かが出てこざる得なくなる。じゃあ、誰が出てくるのか。それはオレが、選手ひとりひとりの野球を見ようとするところから始まってるんだよね。『うわっ、コイツ、すげえや』ってところが、みんなにある。それを見て、気づくことが選手のためにもなるし、チームが勝つことにもつながる。堀(瑞輝)とか、チョク(石川直也)とか、横尾(俊建)にしてもナベ(渡邊諒)にしても、今、流れを感じさせてくれているじゃない。そういう選手がきっかけをつかみかけているときに、ポンと乗せてやるのがこっちの仕事なんでね。このチーム、絶対に勝負できると思ってるよ」

 その言葉通り、前半戦は上沢直之、ニック・マルティネスを中心とした投手陣がリーグトップの防御率を記録して、トップを走るライオンズに喰らいついた。とくに、調子の上がらなかったホークスに9勝4敗と勝ち越し、前半を首位のライオンズに2.5ゲーム差の2位という好位置で折り返す。

 しかしファイターズは後半に入って失速、8月23日に今シーズン初の5連敗を喫し、6連勝のホークスに2位の座を奪われてしまった。8月以降に限ればホークスに1勝8敗とやられっぱなしのまま、結果、クライマックスシリーズは敵地で戦うことになってしまった。

 だから「毎回、難しさしか感じない」(以下、カギカッコは栗山監督)という、3試合の「超短期決戦」で、栗山監督は2つのことを考えていた。ひとつは、こういう「うまくなるチャンスがある試合」を初めて経験する若い選手をいかにして前へ進めるか、ということ。もうひとつは、経験値の高い選手を使ってこのファーストステージをどう勝ち切るか、ということ。栗山監督は「監督としては大きなテーマなんだけれども、この超短期決戦だけは抜ければいろんなことができるので、まずは勝つことを最優先に考える」と言って、こう続けた。

「いつもオレは、選手に大人になってほしい、と思ってるんだけど、じゃあ、どうしたら大人になれるのか。それは、恥を受け止める量に比例するんじゃないかって、最近、思うんだ。恥をかく機会があればあるほど、大人になれる。若い頃から一線でプレーし始めると、その機会は少なくなるでしょ。だから、こういう試合では恥をかいていいんだと思う。経験値の高くない選手が、こういう試合で何を感じて、どう考えて、野球をやるのか。それがなければ、前には進まないよね」

 栗山監督が初戦のマウンドを託したのは、上沢直之だった。

 今シーズン、開幕からローテーションを守り抜き、自己最多の11勝をマークした上沢は、ポストシーズンを”エース”として扱われるのは初めての経験だった。栗山監督に「今年、頑張った上沢がどういうピッチングをしてくれるのかにかかっている」とまで言わしめた第1戦、前に進むべき24歳の “エース”は、ホークス打線と向き合った。

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最終更新:10/16(火) 13:25
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