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金足農・吉田の「野球センスと即戦力は別物」 東尾修が忠告するワケ〈週刊朝日〉

10/20(土) 7:00配信

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 金足農の吉田輝星投手がプロ志望届を提出し、プロを目指すことを表明した。当初は八戸学院大への進学を真剣に考えていたが、甲子園、U18アジア選手権での代表メンバーとしての働きの中で、確固たる自信が芽生えたのだろう。

 本人、そして家族の決断なのだから、周囲がとやかく言うのはフェアではない。一つ言えるとすれば、絶対に自分を信じることだけは忘れず、プロの世界に飛び込んでもらいたい。

 吉田投手の伸びのある直球だけでなく、試合の大局を見極める目や、けん制時の走者との駆け引きのうまさは教えてすぐにできるものではない。野球センスという部分で目を見張るものがある。ただ、それと即戦力としての評価は別物だ。高卒選手はまっさらな目で見てあげなければいけないし、球団は育成面で絶対に背伸びだけはさせてはならない。

 私が西武監督時代の1998年のドラフトで松坂大輔(現中日)が入団してきた。私は開幕直前まで、彼に対して1軍を確約したことはない。1月の新人合同自主トレまでのオフの間、私から特別な指示を大輔にした覚えはないし、西武第二球場で初めて近くでキャッチボールをする姿を見たときも、私が見ていたのは球の勢いではない。体幹の強さ、そして長いシーズンで使った場合に、故障につながる可能性がどこにあるか、だった。彼の場合は、左足首と左膝の硬さが気になった。

 もちろん本人に言うわけではない。まず、彼の特徴をしっかりと把握した上で、変更点を提示すべきであり、それはコーチ陣にも指示した。2月の高知・春野キャンプで、ようやく一つだけ注文を出した。「スライダーはいつでも投げられる。とにかくカーブを投げろ」と。肘や肩を柔らかく使うためだった。ブルペンでいくらアピールしても意味はない。私が見極めていたのは「プロのキャンプにしっかり余力を残してついてこられるか」だけ。10日以上たっても、バテている感じはない。そこで私は初めて「高卒新人ではなく、プロの先発投手の一人として考えられる」と思うようになった。

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最終更新:10/20(土) 12:17
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