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発達障害46歳男性が「売春」に手を染めた事情

10/18(木) 12:20配信

東洋経済オンライン

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「たぶん私は七~八重苦くらい、背負っています。できることならば、八王子の医療刑務所で静かに息を引き取りたい」と編集部にメールをくれた46歳の独身男性だ。

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 深緑に囲まれた目的地は、まさに「人里離れた」場所にあった。2年前、19人の知的障害者が殺された神奈川・相模原市の「津久井やまゆり園」。アユムさん(46歳、仮名)が事件の現場を初めて訪れたのは、今年7月。猛烈に暑い日だった。

■「やまゆり園」はひとごとじゃない

 取り壊し工事が進む建物の前で、花束を供え、手を合わせた。アユムさんは発達障害の一種であるADHD(注意欠陥・多動性障害)を持つ。施設に足を運んだ理由をこう語る。

 「いつかお参りに行きたいと思っていたんです。ひとごとじゃないから。私も昔、家族から精神病院に入院させられそうになったことがあります。自分なんて生まれてこなければよかった。ずっとそう思って生きてきました。だから……」

 声が震え、見る間に目元が赤く充血した。しばし言葉を探した後、こう続けた。「だから、加害者の気持ちもわかる。そんな自分が怖いんです」。

 アユムさんには、自宅である賃貸アパートで話を聞いた。

 ワンルームの床は、書籍や衣類、飲料水などで足の踏み場がない。壁には、何枚ものカレンダーや写真や覚書などが、所狭しとガムテープで張られている。押し入れの中も、ソファーの上も、何かしらのモノが積み上がり、本来の用途をなしていない。

 アユムさんが申し訳なさそうに「片付けられないんです」と言う。

 結論から言うと、アユムさんからは半日かけても、系統立った話はほとんど聞くことができなかった。

 ADHDの状態について尋ねると、いつのまにか診断してくれた医師の人柄について話している。かつての上司の外見を説明するのに、ある有名映画の登場人物に例えようとして、そのまま、その映画について語り続ける。質問の途中で、私のためにエアコンの温度を調整したり、飲み物を取ってこようとしたりする。

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