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最下位・阪神に見た唯一の光。大山悠輔は「真の4番」となりえるか

10/19(金) 15:30配信

webスポルティーバ

名コーチ・伊勢孝夫の「ベンチ越しの野球学」連載●第30回

 今シーズン、17年ぶりに最下位となり、金本知憲監督も辞任するなど、暗いニュースが多かった阪神。そんななか大器の片鱗をのぞかせたのが大山悠輔だ。9月16日のDeNA戦で3本塁打を含む6打数6安打の猛打ぶりは、阪神ファンならずとも強く印象に残ったに違いない。果たして、大山は本当にブレイクしたのか。名コーチとして多くの一流打者を育てた伊勢孝夫氏の見方はこうだ。

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 今シーズン、巨人の岡本和真は打率.309、33本塁打、100打点というすばらしい成績を残した。一方の大山も、シーズン後半は岡本をしのぐほどのバッティングを見せていた。具体的に言えば、ボールをとらえてスイングする精度の高さとスピード。ヒットになる、ならないは別として、そこだけにスポットを当てれば、大山の方がいい時期もあった。

 以前はこだわっていたのか、それともチーム方針なのかわからないが、無理な右打ちが目についた。右打ち自体は決して悪いことではないのだが、無理して右に打とうとするあまり窮屈なバッティングになってしまい、フォームを崩すことがある。

 悪い時の大山のバッティングを詳しく説明すると、課題は“左腰の緩み”にあった。内角を意識するあまり、早く左腰が緩んでしまう(開いてしまう)。だからトップの位置が保てない。自分では「とらえた」と思った打球が全部ファウルになる。今シーズン序盤はそんなスイングをしていた。

 ところが、夏以降の大山はまるで別人だった。ややアウトステップ気味だったものをスクエアに固め直したところ、壁ができた。つまり、体の開きがなくなったのだ。

 大山の魅力は、なんと言っても構えたところからバットがシャープに下りてくることだ。我々は「引っ張ってくる」という表現を使うのだが、大山はその引っ張りがじつにいい。高い位置のトップからスーッと下ろせているから、インコース、アウトコース問わず、スムーズにバットが出る。

 もともとボールをとらえてからのフォローの大きさに特長があった打者だったから、インパクトの感覚を自分のものにできたことで、自信を持って打席に立てるようになった印象がある。

 とくに9月に入ってからホームランが急増(9・10月で9本塁打)したが、いいフォームで打てていたなによりの証拠だ。凡打になってもしっかり自分のスイングができているから、いい打球がいく。

 あえて点数をつけるとするなら、85~90点はあげられる内容だった。残りは外角の変化球にまだ脆さを感じさせること。ここを解消できれば100点満点。さらなる飛躍は間違いないだろう。

 打者が伸びる時というのは、何らかの理由がある。たとえば、ある打席での感覚だったり、苦手にしていた球種やコースをとらえた時だったり、ちょっとしたことがきっかけになることがよくある。ただ聞く限り、今シーズンの大山にはそうした“あの1球”や“あの打席”というのはないようで、つまりは徐々にいいスイングを維持できるようになったということだろう。

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最終更新:10/19(金) 15:30
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