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夫が家出し、2子と暮らす妻が選ぶべきは「今すぐ離婚」か「とりあえず別居」か(上)

10/20(土) 6:10配信

オトナンサー

 夫の悪質ないじめ、しつこい粘着質、そして執拗な嫌がらせ…長年にわたり耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、我慢に我慢を重ねてきたのは「まだ娘が小さいから」「自立する資金が足りないから」「旦那が怖くて言い出せないから」。

 そして念願叶い、憎き夫を追い出し、心の平和を取り戻し、悠々自適の生活を手に入れたのだから、あとは過去の恨みを晴らすだけ。とはいえ今さら謝らせたり、「悪かったよ」と反省させたり、「同じことはしないよ」と改心させたりしても仕方がありません。

 責任の取り方として認められるのは、お金だけ。金額の多さと満足感は比例するので、復讐心に取りつかれた妻は夫から取り立てる金銭の最大化を図るのですが、必ずしも「今すぐ離婚」が最大化の最善策とは限りません。

 なぜなら、離婚すると婚姻費用(別居中の生活費)をもらえなくなるので、できるだけ長く別居を続け、ようやく離婚に踏み切った方が、「今すぐ離婚」よりも妻が得る合計額が増えるのだから。

 私のところにやって来る相談者の方向性は、必ずしも「離婚」の一択ではありません。さまざまな思惑で「とりあえず別居」という中途半端な状態でくすぶっている人も一定数、存在します。

 では「今すぐ離婚する妻」「とりあえず別居する妻」のどちらが金銭的に有利なのでしょうか。もちろん、ケース・バイ・ケースですが、今回は後者の方が厳しいというケースを紹介しましょう。

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
山崎学(43歳)  年間の手取り額650万円の団体職員
山崎智子(40歳) 年間の手取り額170万円の契約社員
山崎日向(14歳) 中学生(公立)
山崎翼(9歳)   小学生(公立)

けんかをして、実家にかくまわれた夫

 智子さんはちょうど半年前、夫と大きなけんかに発展し、激しい言い合いを展開したそうです。結局、夫の方が「もうどうなっても知らないからな!」と捨て台詞を吐き、荷物をまとめて家を出ていきました。

「向こうの母に確認したところ、旦那を実家でかくまっていることが分かったんです!」

 智子さんはあきれた表情で振り返りますが、すでに別居から半年が経過。「離婚なら離婚で仕方がない」と腹をくくっていたのですが、肝心の夫はどっちつかずで煮え切らない態度を取り続けたようで…。

「先の見通しも立たず、時間ばかり過ぎていくのは不安でした」

 智子さんは当時の心境を口にしますが、戻ってくるか分からない夫を待ち続けるのは、不安が募るのも無理はありません。すでに別居から6カ月が経過していました。

「旦那さんがちゃんと生活費を入れてくれていれば、今のままでもよいでしょう」

 私は投げかけたのですが、智子さんは首を横に振るばかり。智子さんの様子から、夫に対して生活費を入れるよう頼んでいないのは明らかでした。智子さんの話を聞いたところ、智子さんが躊躇(ちゅうちょ)した理由は2つあるようです。

 1つ目の理由は別居の経緯です。

「私が先に『もう出て行ってよ!』と当たった責任もあるので、(生活費のことを)言い出せなかったんです!」

 智子さんは夫婦げんかの様子を回顧しますが、智子さんの言葉に反応して夫が出て行ったので、別居のきっかけを作った自分がお金を請求するなんて気まずい、という負い目を抱えていたようです。

 2つ目の理由は口座引き落としです。同居中は、当たり前のように住宅ローンと固定資産税を夫の口座から引き落としていましたが、別居後も引き落としを継続していました。しかし、現在、夫名義の持ち家に住んでいるのは妻子だけ。夫は自分が住んでいない家の維持費を負担しています。

「口座の分とは別にってことですよね? それはちょっと、もらいすぎなんじゃないかって」

 夫は実家に逃げ込んでおり、家賃はかかりませんが、それでも夫は別居先で住宅ローンと固定資産税を支払い、残ったお金で生活しなければなりません。夫のことを考えると、口座引き落としとは別に現金で生活費をもらうことに智子さんは後ろめたさを感じていたのです。それにしても今回の場合、別居のタイミングがあまりにも悪すぎました。

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最終更新:10/21(日) 6:14
オトナンサー

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