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また変わる高血圧基準「何を信じればいいの…」と落胆の声も

10/21(日) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 患者はこれまでも何度も変わる高血圧の基準や目標に翻弄されてきた──。ひと昔前までは上の血圧は「年齢+90」が目安とされ、1987年には旧厚生省が「180/100」という診断基準を打ち出した。

 2000年には日本高血圧学会が「140/90」という厳しい基準を打ち出す一方、年齢ごとに治療目標が定められ、70代は150未満、80代は160未満(いずれも上)と段階的な数値が並んだ。

 だが2004年に同学会は、65歳以上の高齢者を一括りにして「140/90」という治療目標を当てはめるよう方針転換した。これに「反旗」を翻したのが日本人間ドック学会だ。

 2014年4月、同学会は約150万人のデータをもとに、当時の基準より大幅に緩い「147/94」という新たな健康基準を発表し、厳しくなる一方だった基準値に一石を投じた。診断基準についての研究を行なう東海大学名誉教授の大櫛陽一・大櫛医学情報研究所所長がいう。

「約150万人の人間ドック検診受診者から健康な人を抽出して解析した研究で、欧米の調査とも非常に近接して信頼性の高いデータでした」

 この数値が診断に適用されると、当時2474万人だった高血圧患者は660万人となり、1800万人減ることになる。当時、本誌が日本人間ドック学会が提示した新基準を大々的に報じると、高血圧学会や動脈硬化学会、製薬業界などは猛反発した。当の日本人間ドック学会も「あくまで健康の目安であり、病気のリスクを示したものではない」とトーンダウンし、この新基準は黙殺された経緯があった。

 それどころか、来春からは治療目標が変わり、将来的に高血圧治療を受ける患者が激増する可能性がある。すでにこのことが一部で報じられたことで、患者の側に戸惑いが広がっている。

「血圧140~150台を行き来しながら10年以上降圧剤を飲み続ける生活にうんざりしている。つい数年前には『血圧147まで健康』という報道が出て、どうなるのかと見守っていたらいつの間にか話を聞かなくなって、最近になって『血圧は130まで下げなきゃダメだ』って報道が出てきた。いったい何を信じればいいのか分かりませんよ」(65歳男性)

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最終更新:10/21(日) 16:00
NEWS ポストセブン

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