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余命三ヵ月の妻が夫に残した「ラブレター=遺言書」、その中身とは?

10/21(日) 10:00配信

現代ビジネス

 私は相続対策のご提案とサポートをする会社を運営しており、いままでに1万4000人以上の相続相談を受けて、アドバイスやサポートをしてきました。相続は個々に事情が違うため、相続相談としてお会いして状況をお話頂くところからスタートします。

 相続されるご家族は多様化しており、離婚や再婚はめずらしいことではなくなりました。配偶者やこどもがいない方も増えてきましたので、相続のあり方も多様化しています。

 また最近は予期せぬ病が発覚して余命宣告を受ける人もあります。親より先に子供が亡くなる場合や、年上の夫より先に妻が亡くなる場合などもあります。そうしたときにこそ、相続の知識や用意が必要になります。最近の実例にもそうした内容があったので、ご紹介しましょう。

肺がんのステージ4と診断、余命3ヵ月を宣告された

 ある月曜日の朝、もともと付き合いのあったKさん(60代・女性)のご主人から突然の電話がありました。

 Kさんは先月まで普通に生活していたのですが、疲れが取れないとマッサージに通っていたと言います。それでも背中の痛みが続くため、薦められて病院で診てもらったところ、肺がんと診断され、余命3ヵ月という残酷な宣告を受けたのでした。

 肺がんのステージ4と診断されて厳しい状態だということはKさんにも告知されて、すぐに入院して抗がん剤治療を始めたところです。しかし、がんは肺以外にも転移しており、長くは生きられないということも伝えられたのでした。

 こうしたことから、Kさんは自分の「遺言書」を作りたいので、段取りをしてほしいと、ご主人がKさんの代わりに当社へ電話をして来られたのです。

両親の相続時からあった、姉妹の「争続」の芽

 じつはKさんとはもともと、Kさんのご両親に公正証書遺言を作ってもらいたいと私のところへ相談に来られたのが知り合ったきっかけです。最初にお会いしたのはもう10年以上も前のことです。

 というのもKさんには姉がいますが、両親と姉は波長が合いません。姉は結婚して家を離れてしまい、両親と顔を合わすたびに将来の相続時の権利主張をするばかり。

 両親の面倒を看るつもりはないとも明言してがっかりさせたばかりか、自宅は長女なので自分がもらいたいと主張するなど、自分中心なため、姉には財産は渡したくないというのが両親の本音でした。

 一方、次女のKさんは結婚したものの実家のすぐ近くに住み、普段から親のために尽くしてきました。両親が高齢になり、父親が実家で生活することが大変になったときも、老人ホームを探し、1人暮しになった母親のサポートをし、すべてを引き受けてきました。

 両親はそうした状況を踏まえて、勝手なことばかり言う長女ではなく、次女に老後を託し、財産も相続させたいという気持ちで、公正証書遺言を作られました。その際、将来の相続時に長女から文句が出ないようにと、住宅取得資金として長女への現金贈与も済ませました。

 相続される財産は両親の共有名義となっている自宅と預金で、それぞれ基礎控除の範囲内でしたので、相続税はかかりません。先に父親が亡くなり、その後に母親が亡くなりましたが、それぞれ公正証書遺言で相続の手続きができました。

 普段のKさんの貢献度は明らかで、姉も文句は言えなかったようで、遺留分請求もありませんでした。

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最終更新:10/21(日) 10:15
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