ここから本文です

ルメールの判断、度胸、運は段違い。4戦目の馬で菊花賞制覇の名手ぶり。

10/22(月) 11:26配信

Number Web

 クリストフ・ルメールの“神騎乗”が止まらない。前週の府中牝馬ステークス(ディアドラ)、秋華賞(アーモンドアイ)、この週の富士ステークス(ロジクライ)、そして菊花賞(フィエールマン)と、重賞騎乗機会4連勝。勝率2割で一流と言われる騎手界にあって、この2週間(開催4日間)で34戦15勝と、5割近い勝率で勝ちまくっている。

 クラシック三冠の最終戦、第79回菊花賞(10月21日、京都芝外回り3000m、3歳GI)をルメールが騎乗した7番人気のフィエールマン(牡、父ディープインパクト、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。デビュー4戦目での勝利は、従来の6戦目を更新する、菊花賞最少キャリア優勝記録となった。

 田辺裕信のジェネラーレウーノが好スタートからハナに立った。大逃げではなく、すぐ後ろに他馬を引き連れた溜め逃げを打ち、最初の1000m通過は1分2秒7。そこから2000m地点までの1000mは1分4秒2と、さらにペースを落とした。

「直線に向いて、少しガマン」

 一見、逃げ・先行馬に有利な流れに思われたが、あまりにスローだったため、すべての馬が脚を溜めることができ、最後はヨーイドンの瞬発力勝負になってしまった。

 2000m地点からゴールまでの1000mは59秒2という、スプリント戦のようなペース。特に、最後の2ハロンは10秒7-11秒3という、切れる馬でなければ勝てない流れになった。

 それを見越して早めに前との差を詰めていたミルコ・デムーロのエタリオウが、4コーナーで大外から進出し、直線入口では突き抜けそうな手応えだった。1番人気のブラストワンピースも遅れまいと、その後ろから脚を伸ばす。

 これらの内の馬群のなかにいたフィエールマンも絶好の手応えだったが、前が壁になって動けずにいた。ルメールが「直線に向いて、ちょっとガマンした」と振り返ったシーンだ。

ミルコに負けたと思ったが。

 スローの瞬発力勝負になると、どの馬にも余力がある。そのため、ヨレたり、下がったりする馬が少なくなり、馬群に隙間ができづらくなるのだ。

 ラスト300mほどでエタリオウが馬場の真ん中から体ひとつ抜け出した。追いすがるブラストワンピースはジリジリ離されていく。

 勝負あったと思われたそのとき、内からフィエールマンが凄まじい脚で伸びてきた。前の馬が内にもたれて生じたスペースを、一気に駆け抜けてきたのだ。

 内のフィエールマンか、外のエタリオウか。2頭が鼻面を揃えてゴールを駆け抜けた。

 ルメールのフィエールマンが、ハナ差だけ前に出ていた。

 「負けたと思った。ミルコに『おめでとう』と言ってしまった。ぼくの馬は切れ味があり、いい瞬発力を発揮してくれた」

1/2ページ

最終更新:10/22(月) 13:51
Number Web

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sports Graphic Number

文藝春秋

965号
11月8日発売

特別定価600円(税込)

BASEBALL FINAL 2018 鷹が撃つ。

【全6戦徹底解説】 ホークス×カープ「勝負の分かれ目」
【MVPインタビュー】 甲斐拓也「キャノンの咆哮」

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ