ここから本文です

石炭復活を叫ぶ、ドナルド・トランプの悲劇

2018/10/24(水) 20:41配信

エスクァイア

トランプ政権が石炭火力発電所に関する環境規制の緩和を進めている中、ある発電所が深刻な健康被害をもたらしているペンシルバニア州のある町をレポートしました。

【 写真 】トランプ大統領専用車「ビースト」の凄まじい性能に注目 !

 ドナルド・トランプの米国大統領就任直後、彼の当時の参謀であったスティーブ・バノン氏は新政府の方針について、「行政国家の脱構築(deconstruction of the administrative state)」と言い表していました。
 
 当然ながらこれは保守主義者たちが、この30~40年にわたって目標としてきたことと合致します。ですがこの発言には、トランプ流の「乱暴ではた迷惑なある策略」が含まれており、彼の哲学に基づいて実行へと移されてきました。トランプ政権は猛烈なスピードでさまざまな規制を骨抜きにし、米国の行政機関やその働きを変容させてきたのです。この改革はしばしば科学的な根拠を軽視しており、企業の利益最大化に与すること以外は何も…。これらの政策が米国全体に与える影響も、全く考慮されていないとしか思えないのです。 
  
 そして米連邦政府自体が、官僚主義的な非効率や浪費、詐欺、職権乱用などの巣窟であることも間違いありません。さらに現在の狂乱的な規制緩和の流れは、多くの場合、米国の行政機関から「企業の不正行為を監視し、米国市民の生命を守る」という力を直接奪い取ってしまうことにもなるでしょう。 
 
 そんな状況がもっとも明白なのが環境保護庁(Environmental Protecion Agency、EPA)であり、同庁は米国の金権政治家であるスコット・プルーイット氏の台頭(とゆるやかな失脚)により、瞬く間に内部から崩壊していきました。EPAはオバマ政権時代のいくつもの政策の巻き返し計るかのように、頻繁に動きを見せています。中でも極めつけは、パリ協定で定めた排出削減義務達成の主要手段であった「クリーンパワープラン(Clean Power Plan、CPP)」の撤廃でした。
 
 このパリ協定による削減義務に関しては、「気候変動に関する政府間パネル(U.N.Intergovernmental Panel on Climate Change)」で公開された恐るべきレポートによって、世界的な緊急性がさらに高まっている最中でもあります。
 これに関しては、トランプ政権に大きな責任はあることは否めないでしょう。彼の政権によるCPP撤廃によって、人類文明存続の危機に足並みを揃え始めた世界各国を身動きの取れない状態にしてしまったのですから…。

1/2ページ

最終更新:2018/10/24(水) 20:41
エスクァイア

記事提供社からのご案内(外部サイト)

エスクァイア

ハースト婦人画報社

1933年にアメリカで誕生した
ハイエンド・ファッション雑誌です
ファッションやライフスタイルにとどまらず
アート、カルチャー情報などを届けます

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事