ここから本文です

「2浪は無能?」 道草を許さない社会の絶望感 走り続けるより、自由気ままに休んだ方がいい

10/24(水) 5:00配信

日経ビジネスオンライン

 昭和大学医学部の一般入試で、2浪以上の受験生が不利になるような得点操作を行っていたことがわかった。

 医学部の二次試験で、80点満点中、現役の受験生には10点、1浪の受験生には5点を加点。一方で、2浪以上には加点をしなかったほか、卒業生の親族を優先して補欠合格させ、その数は19人(2013年以降)。

 昭和大学は入試操作を謝罪した上で、現役と1浪を優遇した理由について「(現役・1浪は)活力があるとか、アクティブに動ける可能性が高いと判断していた」と説明している。

 ……なるほど。

 「活力」という名の「能力」。日常生活において私たちは一般的に、功利的原則に従って行動しているので、現役より2年も受験勉強期間を要した2浪は「最良の手段」を選択したとは言い難い。

 コスパと言い換えてもいい。要した時間(労力)と結果という視点で捉えれば、現役生の方が上。流行りの言葉でいえば、「生産性が高い」ということなのだろう。

 私が学生のとき、二浪は「若大将」と呼ばれていた。といってもこれは剣道部のローカルルールみたいなもの。なぜ、そう呼んでいたのかわからない。が、各学年に一人くらいは「若大将」がいて、彼らは明らかにオトナで、私は何度も「若大将」に救われてきた。

 今まであまり書いたことはなかったが、私はインカレや日本選手権に出るほどの結構な選手で(ホントです……苦笑)、辛い稽古や試合で負けたりして落ち込む度に、若大将がさりげなく「傘」をさしだしてくれたのだ。

 であるからして、「時にいやし、しばしば支え、常に慰む」という倫理観で、患者の「残された命」に光を与えてくれる存在でもある医師の卵が、功利的主義により選別されたのは極めて残念。

 あくまでも「私世界」の、実に限られた世界の経験に基づいた考えではあるけど、病とともに生きる時代に、人生は思いどおりにならないという経験をした2浪医師の言葉が必要になるはずなのに。

 人生100年といわれる時代に、たった2年くらい人より遅れたからといって、ちっちゃいこというな! という気持ちもある。

 というわけで今回は「浪人の価値」について、あれこれ考えてみたい。

1/5ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

あなたにおすすめの記事