ここから本文です

血糖値に影響する糖尿病以外の病気はあるのでしょうか?

10/27(土) 8:30配信

月刊糖尿病ライフ さかえ

 糖尿病の治療として、食事の管理や運動を行っていても、時としてヘモグロビンA1cや血糖値が上がり、なぜだろう?と疑問をお持ちになることがあるのではないかと思います。

もちろん、季節性の変化や、体重の増減、自分では気付かない食生活の変化の有無、精神的なストレスの有無、女性においては月経周期などの確認が必要ですが、それ以外の原因として、次のような可能性も考えられます。

【血糖値が上がる原因として考えられること】

●他の病気を患うことで、血糖値が上がることがあります
 糖尿病は、インスリンの作用不足によって生じる病気ですが、肝硬変、肝炎、肝臓がん、脂肪肝などによる肝機能障害でブドウ糖がうまく取り込めない場合や、膵(すい)臓がんや膵炎、膵臓の石灰化などの病気により、インスリンの量が減る場合に、高血糖になることがあります。

 また、他のホルモンの病気により、インスリンがうまく作用せず高血糖になることもあります。バセドー病やクッシング症候群、先端巨大症がその代表です。

 このように、他の病気により高血糖になることを二次性糖尿病といいます。糖尿病全体のわずか数%ですが、原因となる疾患を適切に治療することで、糖尿病が軽快、または治癒する可能性があります。

●シックデイではありませんか?
 糖尿病患者さんが炎症性の疾患にかかると、普段は適切に血糖管理ができていても、高血糖を来す場合があります。この状態をシックデイと呼びます。

 シックデイに該当する病気には、インフルエンザや腸炎、外傷や骨折などがあります。シックデイのときには血糖値が乱れやすいので、糖尿病治療薬の調整が必要になることもあります。

●血糖値を上げる薬を服用していませんか?
 薬の副作用により、高血糖を来す場合があります。その代表はステロイド、高血圧や心不全の治療薬である利尿薬、インターフェロン、ぜんそく治療薬のβ2(ベータ・ツー)刺激薬などです。

 ご自身が服薬している薬の説明書の副作用欄に高血糖の記載がないか、確認してみるのもよいでしょう。

●がん検診を受けていますか?
 血糖値とがんは密接に関連しており、その注目度は近年高まっています。がんを罹患(りかん)すると、ストレスや炎症により高血糖を来す可能性があります。

 また、糖尿病患者さんは、糖尿病ではない人に比べて、1.2倍がんを発症しやすくなります(中でも、肝臓がんは1.97倍、膵臓がんは1.85倍、大腸がんは1.40倍と高リスクです)。

 さらに、糖尿病患者さんの死因の第1位は、がん( 38.3%)なのです。ここで注意すべきことは、糖尿病治療のために外来に通院していても、通常の診療では、がんを発見できない可能性があることです。

 通常の血液検査だけでは、がんを発見できませんし、症状の訴えがなければ、追加で検査を行うことも少ないためです。もちろん、担当医師との話の中で、がんを疑う症状があれば、精密検査を行います。

 しかし、がんに伴う症状は、がんが進行してから出現する場合も多く、治癒できる状態でがんを発見するためには、その早期発見と予防が大切です。早期発見には、「がん検診」を受けることが推奨されています。

 日本で受けられるがん検診は、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんの五つです。いずれも各地方自治体で、がん検診や一般の健康診断、人間ドックの一つとして案内しています。これらは、お住まいの地域住民の方ならどなたでも受診することが可能ですが、対象となる年齢や実施時期、費用負担は各自治体によって異なりますので、確認が必要です(表)。

神戸大学大学院医学研究科 内科学講座 
糖尿病・内分泌・総合内科学 准教授
坂口 一彦(さかぐち・かずひこ)

※『月刊糖尿病ライフさかえ 2018年7月号』より

記事提供社からのご案内(外部サイト)

月刊糖尿病ライフさかえ

時事通信出版局

2018年12月号
(第58巻・12号)

【特集1】味覚と健康 
     特に「うま味」の重要性について
【特集2】糖尿病と性機能障害

あなたにおすすめの記事