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安田純平氏へのバッシング、いちジャーナリストとして思うこと

11/3(土) 13:00配信

現代ビジネス

「知る権利」を言うばかりではなく

 最近、私はどうも心がザワザワしている。理由はまこと理不尽だ。複数のニュースアプリの通知で、下記のような文章が何度もスマホに送られてくるからである。

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・解放された安田さん「地獄だった」
・安田さんに「自己責任」バッシング
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 さらにツイッターを開くと、この「安田」氏は「ジャーナリスト失格」だの「ウソツキ」だのと散々な言われぶりである。私はたまたま彼と同姓の同業者であるせいで、今回の安田氏の解放にあたり、彼の親族を除けば日本で最もビビっている安田となっている。

 念のために確認すれば、私は中国ルポライターの安田峰俊(36)であり、昨今話題のフリージャーナリストの安田純平氏(44)とは面識も血縁関係もない(少なくとも「ひいひいじいさん」以降の縁者でないことは100%確実だ)。

 また、同業者とはいえ、イスラム圏でのハードな戦場ジャーナリズムに身を浸す安田氏と、B級ネタも含めた中国関連記事を得意とする私に業務上の接点はない。後述する寄稿媒体を見ても、おそらく安田氏と私は仕事のスタンスも政治信条もかなり違う人だろうと思う。

 なので、私は本件が起きるまで安田氏について「中東で拘束された人」以上のことはよく知らなかった。彼が立派なジャーナリストなのか、それともネットで叩かれている通りの怪しげな人なのかを、確信を持って判断できるだけの予備知識も持っていない。

 さらに軽く調べてみても、安田氏に言及する大手メディアは「知る権利」がどうだといった大きな話が多く、具体的に彼の何がすごいのかの説明は少ない。対して彼を叩くネット世論や一部の識者には、ツイッターの本人発言の切り貼りやネット上のコピペを根拠にした印象論や、イデオロギーありきの主張が多いように見える。

 本来、プロを評価する基準は、SNSのつぶやきや本人の属性(政治志向・社会的地位・経歴・家族関係・出自など)ではなく、本業の成果であるべきだ。だが、世間では彼が本業で何をしているかを具体的に示さないまま毀誉褒貶の議論だけが先走りしているため、私は彼をどう評価していいのかわからないのだ。

 そこで本稿では、ひとまず安田氏が過去にどんな仕事をしていたかを調べた上で、彼への批判がどこまで的を射ているのかを考察してみることにした。

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最終更新:11/5(月) 12:55
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