ここから本文です

テスラの苦境を読み解く「創世記」からの歴史

11/3(土) 6:50配信

東洋経済オンライン

 テスラがいま、岐路に立っている。

 今年8月、イーロン・マスクCEOがツイッターでテスラの株式非公開についてコメントしたことが株式市場に影響を与えたとして、連邦証券取引委員会(SEC)が提訴していた問題で、マスク氏は9月末、少なくとも会長職を離れることでSECと和解した。

 その矢先、今度は連邦捜査局(FBI)から、小型EV「モデル3」の生産予測について虚偽の発表をした疑いがあるとしてテスラが捜査されている、と10月26日にアメリカのウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。2017年7月に納車を開始し、同年中に月産5000台を達成するとしていたが、実際に達成したのは2018年6月になってからだった。

 2003年設立以来、15年間にわたって経営を存続してきたテスラだが、ここへきて事業継続に向けた大きな課題に直面している状況だ。

 はたして、テスラは今後もEV界のリーダーとして存続していくことができるのだろうか? 

 将来を見通すには、現在の延長線上にある過去の経緯を踏まえて考察する必要がある。テスラの創世記からこれまで、テスラを定常的に取材してきた身として、テスラの現在、過去、未来について前後編にわたって考えてみたい。

■ テスラはいま、創業以来の第三幕

 では、テスラの歴史を振り返ってみよう。

 まずは、創世記から見ていく。

 2003年、電気系のエンジニアだったマーチン・エバーハード氏らがテスラを設立。共同出資者のひとりとして、電子決済システム「ペイパル」の創業者のイーロン・マスク氏も参加した。

 エバーハード氏はEV(電気自動車)の専門家ではなく、あくまでも新規事業としてEVに可能性を見いだした人物。そのため、EVの基礎技術については、ロサンゼルス郊外にあるACプロパルジョンと技術提携をした。

 正確に言えば、エバーハード氏が個人的にEV購入を考えてACプロパルジョンを訪れ、自らもEVメーカーを創業しようと思いついたと、ACプロパルジョンの元幹部が証言している。

 ACプロパルジョンは、EV開発者のアラン・ココーニ氏が設立した企業。ココーニ氏はアメリカ・ゼネラルモーターズ(GM)が1990年代に進めたEV計画「プロジェクトインパクト」を推進した人物で、のちに量産車「EV-1」の開発も行った。

1/3ページ

あなたにおすすめの記事