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毎食「米3合食え」と迫られる野球少年の壮絶

11/3(土) 7:40配信

東洋経済オンライン

 夏の暑さも和らぎ、食欲の増す季節がやってきた。メタボぎみのお父さんは「もう食べちゃダメ」と奥様ににらまれたりするが、逆に「もっと食え」と強制される子どもがいるのをご存じだろうか。

■「1食につき米3合食え」

 子どもの脳に詳しい小児科医で文教大学教育学部特別支援教育専修の成田奈緒子教授は、講演のため足を運んだ東北地方のある町でこんな話を聞いた。

 「息子が少年野球の監督から1食につき米3合食えと命じられ、苦しんでいます」

 小学5年生。野球の少年団で投手として頑張っているが、放課後行う練習が終わるのは夜9時を過ぎる。そこから米3合、茶碗に山盛り6杯ぶんの白飯を食べなくてはならない。

 食べるのに夜中の12時までかかる。体が細く体も小さいため「食べないと試合で投げさせないと監督に言われた」と泣きながら食べる。プロ選手を輩出した少年団らしく、「1食3合命令」は地域の少年団でも有名だ。

 しかも、白飯がおなかに入らなくなるからか「野菜や肉などのおかずは食べなくていい。塩だけで飯を食え」とも言われているそうだ。

 子どもの脳育てのために早寝早起きを推進する成田教授が、さらに驚いたのは、同じ話を今度は東海地方での講演の際にも聞いたからだ。そこでも前述のケースと同様「1食米3合」を監督から命じられ、子どもたちが苦しんでいた。

 実は筆者も似た話を知っている。首都圏にある少年野球クラブで以前聞いたのは「どんぶり3杯」。量的には米3合とほぼ同じだ。消化できずに下痢になるため、栄養を吸収できず太れない。体重が増えないため「おまえ、食ってないだろう!」と叱られる。そこまで食べなきゃいけないなら野球をやめたいと子どもが言う――そんな話だった。

 野球少年が「1食米3合」の理不尽に苦しんでいる。

 「本当に驚きました。本来なら小学生が就寝すべき夜9時まで練習し、それから米3合食べて就寝が夜中では、成長ホルモンが分泌する時刻に間に合わないので身長が伸びません。夜中に食べることで胃腸がもたれて朝ごはんがしっかり食べられないため、日中の活動に支障をきたします。本末転倒です」と成田教授は勘違いの“食トレ”に警鐘を鳴らす。

 「野球食」なる言葉が登場したのは2000年前半。その後、ラグビー、サッカー、駅伝などで日本のトップアスリートたちがスポーツ栄養、「食トレ」に励む文化が生まれたが、その起点になったのが野球食だった。

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