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“猫の街” 尾道を歩いてみえてきた「地域猫と住民が幸せに共存する暮らし方」

11/4(日) 11:00配信

週刊女性PRIME

「猫の街」尾道を歩く

 近年、「猫の街」として人気を集める広島県尾道市。瀬戸内海に面した静かな街を記者が訪れると、商店が立ち並ぶ通りから路地裏、坂道にいたるまで、あちこちで猫たちが出迎えてくれた。古民家を利用したカフェや猫グッズの店も目につく。猫たちが闊歩する『猫の細道』まである。

「以前から尾道は観光スポットだったけれど、猫を前面に押し出すようになったのは、丸い石で描かれた『福石猫』を描いている芸術家が移り住んできたころから。'90年代の終わりだったかな」

 そう教えてくれたのは、市内で暮らす60代男性。同じく地元住民の女性は、笑顔でこう話す。

「このあたりの猫は、不妊手術をしているんですよ。放っておくと、どんどん増えちゃうから、いいことだと思いますよ」

 “地域猫”という言葉をご存じだろうか? 捨て猫やノラ猫に不妊手術を施し、これ以上増えないよう、住民が見守りながら地域で適正に管理していく活動のことだ。

 およそ20年前に、神奈川県横浜市磯子区の一角で始まった活動はいまでは全国に広がり、猫の街・尾道でも、その取り組みが行われている。最終的には「ノラ猫ゼロ」にすることが目標だという。

 世の中には、猫が嫌いな人や、猫の糞や植物などへの被害に頭を抱える人たちが少なくない。一方、ノラ猫へ無責任に餌をやるだけで、不妊手術をせず、結果的にその数を増やしてしまう“愛猫家”もいる。両者の間でのトラブルが絶えない。地域猫は、これを減らすために考えられた対策でもある。

 尾道で活動する動物ボランティアのひとりは、こう語る。

「猫は縄張り意識の強い動物。ある地区の地域猫がゼロになっても、ほかの地区にいたノラ猫が移り住んできたら、なかなかゼロにはならない。また、そこが地域猫の場所だとわかると、よそからわざわざ捨てにくる心ない飼い主もいて、かえってノラ猫が増えることもあります」

 そのため、地域猫活動の場所を公表しないケースもあるようだ。

「とはいえ、磯子で始まった地域猫活動は一定の成果を収めました。だからこそ、全国の区市町村のいたるところで同様の活動が行われているのです」(動物ボランティア)

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最終更新:11/4(日) 11:00
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