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【ジェネリック医薬品業界編】プロが選ぶ隠れ優良業界

11/5(月) 17:01配信

就職ジャーナル

世の中には、広くは知られていない「隠れ優良業界」があります。シンクタンク・日本総合研究所の研究員に、プロの目線で優良業界を教えてもらうこの企画。今回は「ジェネリック医薬品業界」について紹介します。
「ジェネリック医薬品業界ってどんな業界?ジェネリック医薬品業界を“隠れ優良業界”に選んだ理由とは?」など、日ごろたくさんの業界・企業とかかわっているプロだからこそわかる情報が盛りだくさん。ぜひ、参考にしてみましょう。
株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー 高津輝章氏
一橋大学大学院商学研究科経営学修士課程修了。企業を「経営企画」「経営管理」「財務」の観点から支援するプロジェクトを多数手がけている。また、企業がグループ本社機能の高度化・効率化を目指す際の支援も。公認会計士。
前回の記事では、普段たくさんの企業と接している日本総研の研究員が考える優良業界の3つの条件を紹介しました。
1. 業界の規模が大きい、あるいは拡大中である
2. 他社との競争が激しくない
3. 取引先に対して有利な立場を築きやすい
今回は、これらの条件に当てはまる「ジェネリック医薬品業界」について高津さんに解説していただきます。

ジェネリック医薬品業界ってどんな業界?市場規模はどのくらい?

特許切れ医薬品と同じ成分の「後発医薬品」を手がける
ジェネリック医薬品業界とは、新薬の特許が切れた後に、同じ有効成分を含み同じ効果を発揮するよう開発された「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」を開発・製造・販売する業界です。
医薬品は、ドラッグストアなどで処方箋なしで販売されている「一般用医薬品」と、病院や調剤薬局などで医師の診断に基づいて処方される「医療用医薬品」とに大別されます。このうち医療用医薬品は、新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品とに分かれます。
新薬の開発には、数百億円規模の研究開発費と、安全性試験や審査なども含めて10年以上の開発期間が必要です。ところが、医薬品成分の特許が20~25年(※)で切れた後は、新薬と同じ成分の薬をほかの企業が開発・製造することが可能なのです。こうして生まれたジェネリック医薬品は、新薬に比べて開発費が安く済むため、価格を大幅に抑えることができます。
(※)特許の存続期間は出願から20年と決まっている。しかし、医薬品の場合は安全性などを確保するための試験の実施や国の審査などにより特許権の存続期間の侵食があるため、最大で5年間の延長が認められる。
世界各国でジェネリック医薬品への切り替えが加速
世界各国では、医療費の高騰が社会問題になっています。そのため、高価な新薬から安価なジェネリック医薬品に切り替えようとする動きが加速しているのです。その結果、例えばアメリカでは、ジェネリック医薬品の割合が全医療用医薬品の9割以上(数量ベース)を占めています。
これに対し、日本ではジェネリック医薬品のシェアはさほど高くありませんでした。2011年9月時点で、ジェネリック医薬品の割合(数量ベース)は39.9%。その後は徐々に高まってきましたが、それでも2017年9月時点で65.8%(数量ベース)にとどまっています(2018年度に入り、7割程度まで上昇)。厚生労働省は、2020年までにジェネリック医薬品の割合を8割にまで高める目標を立てています。そして、ジェネリック医薬品の使用比率が低い薬局に対して調剤基本料の減算規定を設けるなどして、さらなる普及を促しています。
ジェネリック医薬品の市場は順調に拡大中
ジェネリック医薬品業界の市場規模は、年々大きくなっています。
市場調査会社の富士経済によれば、2015年におけるジェネリック医薬品の市場規模は7963億円でした。ところが、2017年には9640億円(見込み)に拡大。2021年には1兆2233億円に達すると予測しています。中でも、業界をけん引しているのが国内のトップ企業です。今後も国内企業は順調に伸びていくと言えるでしょう。

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最終更新:11/5(月) 17:01
就職ジャーナル

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