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元アップル社員2人が開発した「速度もわかるLiDAR」に、50億円集まる理由

11/5(月) 19:11配信

WIRED.jp

カリフォルニア州マウンテンヴューの昼休み。社員食堂に興味のない働きバチたちは、食べ物にありつこうとイースト・ミドルフィールド・ロードを歩く。きれいな道だが、歩行者たちは立ち並ぶ街路樹や街灯柱に隠れて見えにくい。人間のドライヴァーも気をつけて運転しなくてはならない道だが、ハンドル操作を学習中のロボットにとってはさらに難所である。

開発レースの勝敗を決める「LiDAR」技術

しかし、ソロウシュ・サレヒアンとミナ・レズクが乗るメルセデス・ベンツのヴァンの大型モニターには、道をぶらつく二足歩行動物が白背景の画面に全員くっきりと表示されていた。ヴァンに向かってくる人間は青色、ヴァンから遠ざかる人間は赤色だ。

こうした情報は、ルーフ上の箱に搭載されたレーザーセンサー「LiDAR(ライダー)」が集めている。エヴァ(Aeva)の共同創業者であるサレヒアンとレズクは、物体の位置だけでなく、それが動く速度も感知する数少ない自律走行車用センサーのひとつを開発したのだ。

50億円以上を集めたセンシング技術

ルーフ上の箱にはLiDARに加えてカメラも搭載されている。エヴァのセンシング技術は、集めたデータをピクセル単位、ナノ秒単位で集約し、ひとつの画像として表示させるのだ。

これは、一筋縄ではいかない世界を走行しようとするクルマにとって、極めて重要になるであろう能力である。ヴェンチャーキャピタルのラックス(Lux)とカナン(Canaan)が、エヴァに4,500万ドル(約51億円)を投資した理由はそこにある。

センサーを開発している企業のほとんどは、LiDARかカメラ、どちらかひとつの技術に注力しているが、エヴァは違う。彼らはセンシング技術全般に取り組み、それらをすべてひとつの箱に詰め込もうとしているのだ。

2017年初めにエヴァを設立したサレヒアンとレズクは、もともとアップルの「Special Projects Group」でセンシング技術を開発していた同僚同士だ。サレヒアンはアップル時代に「Apple Watch」や指紋認証機能「Touch ID」の開発にも携わっており、レズクはアップル入社前はニコンにいた。

エヴァ(ピクサー映画『ウォーリー』に登場するロボット、「EVE(イヴ)」を意識した名前だ)の社員数は現在50人ほど。そのほとんどがアップル、テスラ、BMWのような企業出身のエンジニアである。

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最終更新:11/5(月) 19:11
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