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柄本明沈痛、妻・角替和枝さん死去 「原発不明がんの恐怖」〈週刊朝日〉

11/7(水) 11:30配信

AERA dot.

 10月27日未明、俳優柄本明の妻である俳優角替(つのがえ)和枝(本名・柄本和枝)さんが「原発不明がん」で亡くなった。享年64だった。柄本は事務所を通じ「かねてより闘病中でした」と報告した。

 息子の佑(たすく)と時生も俳優で、佑の妻は、俳優奥田瑛二とエッセイスト安藤和津の次女安藤サクラ。芸能一家を襲った突然の訃報(ふほう)に悲しみが募るばかりだった。

 胃がんや肺がんという特定のがん名があるとわかりやすいが、死因となった原発不明がんはあまり聞き慣れない病名で、不安を抱いた人は少なくない。2004年には、いかりや長介さんも同じく原発不明がんで死去した。

 原発不明がんとはいったいどんな病気なのか。

 国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍(しゅよう)内科の米盛勧病棟医長によると、がんが発見されて検査をしたときに、(1)原発部位(はじめにがんが発生した臓器)が特定されない、かつ、(2)病理診断で転移性のがんであることが確認できた状態を、原発不明がんと診断するという。

 なぜ特定できないのか。

「がんが最初に発生した病変が消えてなくなることがあり、転移部分だけが検出される状態になるからです」(米盛医師)

 原発不明がんは、60~70歳代でがんと診断される人が罹患することが多いとされ、日本人の罹患率は3%。診断技術や医療機器の発達により、がんの発生源を特定しやすくなり、原発不明がんと診断される人は減ってきているという。

 米盛医師は、原発部位が明らかな場合と不明の場合の状況を次のように説明する。

「明らかな場合は、大きさ、リンパ節への転移の状況、他の臓器への広がりにより、がんの病期を決め、早期がん、進行がん、遠隔転移したがんといった段階に基づいた治療方法や治療目標を設定でき、患者にも理解しやすい」

 だが、不明の場合は、「大半が遠隔転移して治癒不能な状況が多いが、一部は治癒できる場合もあるので、専門家が臨床診断の分類を適切に行い、どのような治療がよいのかを検討し、実施することが重要」だという。何よりも、原発不明がんの特定が遅れると危ない。専門医ではない医師の中には、探せば原発部位が見つかると考え、探し続けた結果、がん治療が遅れる場合があるそうだ。

「十分な知識や経験がないことによる診断や治療の遅れが、少ないながらも時々あります。がんの診断と治療に長(た)けた腫瘍内科医の診療を受けることが重要です」(同)

(本誌・岩下明日香)

※週刊朝日  2018年11月16日号

最終更新:11/7(水) 14:29
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