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ビジネスパーソンはなぜ歴史や宗教を学ぶべきなのか――『世界を読み解く「宗教」入門』著者インタビュー(前編)

11/6(火) 7:00配信

Book Bang

『ビジネス教養として知っておきたい 世界を読み解く「宗教」入門』は、おもにビジネスパーソンに向けて、世界と日本の宗教の基礎知識やビジネスとの関わりについて解説した1冊です。この本を著した同志社大学神学部の小原克博教授に、ビジネスパーソンが宗教を学ぶ意義や、著書に込めたメッセージについてお話をうかがいました。前後編の2回に分けて掲載します。

「学び」によってビジネス的日常を対象化する

──世界史や哲学など、ビジネスパーソン向けの「教養本」がよく読まれています。このたび先生が上梓された『ビジネス教養として知っておきたい 世界を読み解く「宗教」入門』も、メインの読者として想定されているのはビジネスパーソンですね。

「働く」ということは、私たちの人生のかなりの時間を占めますから、忙しく働くうちに日常がどうしてもルーティン化してしまうんですね。そういうルーティン化された日常に埋没すると、大事なことを見過ごしてしまいます。

働くことが人生の大事な部分を占めているとはいえ、それがすべてではありません。仕事にはいいときもあれば悪いときもある。仮にうまくいかないときがあったとしても一喜一憂しないで、日常から少し距離を取ることができれば、生き方に余裕が出てくるはずです。

世界史や宗教は、私たちの日常と関係ないといえば関係ないですが、これらを学ぶことで、いまわれわれはどういう生き方をして、どこに向かっているのか、という大きな視点を得ることができます。そうした視点から振り返ることで、自分たちの日常を批判的に対象化できます。

ビジネスパーソンが、日常生活にあまりかかわりのない歴史や哲学、宗教について学ぶ意義は、こんなところにもあると思います。

──世界史などにくらべて、宗教は少しとっつきにくい気がします。

宗教というと具体的な組織や既成の宗教団体をイメージする人が多いんです。そう考えると「自分には関係ないな」と思ってしまうんですね。

しかし、人間には根源的に宗教的関心があります。普段意識しないだけで。「自分は死んだらどうなるんだろう」「大切な人は死んだらどこに行くんだろう」……。こうした問いは人類史のはじめからある。そういった広い意味での宗教性を考えてみてほしいんです。

がむしゃらに働いているときは意識しなくても済むかもしれませんが、たとえば退職してから「自分の人生とはそもそもなんだったのか」と考えたのでは遅いのではないでしょうか。「老い」や「死」は皆に等しく訪れるのだから、ふだんから自分がいま働いていることの意味を考えたり、あるいは自分の会社が社会にどう貢献しているか、お金が儲かればそれでいいのか、と問うてみたり。そういう視点を宗教は与えてくれると思います。

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最終更新:11/6(火) 7:00
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