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「安倍首相に手紙を書いてくれ!」マイケル・ムーア監督からの日本への警告

11/7(水) 7:30配信

クーリエ・ジャポン

2016年11月9日のドナルド・トランプの米大統領選から2年──。11月6日の中間選挙でアメリカはこの2年のトランプ政権に審判を下す。その日を題材にした映画『華氏119』でマイケル・ムーア監督が驚愕の事実を次々と暴く。

映画ライターの高野裕子氏がマイケル・ムーアをロンドンで直撃。日本人にメッセージをお届けする。


アポなし直撃インタビュー・スタイルと独自のユーモアで、アメリカ社会の問題を突くドキュメンタリー映画を撮り続けてきたマイケル・ムーア。故郷ミシガン州フリントのジェネラル・モーターズ自動車工場閉鎖に伴う地域社会への波紋をテーマにしたドキュメンタリー『ロジャー&ミー』で1989年に映像作家としてデビューした。

以後、コロンバイン高校での狙撃事件や、ブッシュ政権、医療問題や現代資本主義経済の現状など、ともすれば難解になりがちなテーマをかみ砕き、誰もが理解できる明快なタッチでドキュメンタリー化、彼の映画は世界的なヒットとなった。

『ボウリング・フォー・コロンバイン』ではアカデミー賞を、『華氏911』ではカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞している。ある意味で、これらの作品が現在の映画界におけるドキュメンタリーの可能性、人気を拡大させる土壌を作ったともいえるだろう。

彼の最新作『華氏119』では、2年前の11月9日にドナルド・トランプが米国大統領に当選したことの余波と、アメリカ社会の現状、そして未来を考察する。

この2年、予想よりも悪くなった

──今回どうしてトランプ大統領の選挙とその結果についての映画を撮ろうと思ったのですか?

「僕を含めた多くのアメリカ人が、彼が大統領になったことについて、強い憤りを感じているのと同時に非常に落胆している。彼が大統領になったことは、アメリカという国、そして世界に悪影響を及ぼすと感じたんだ。この問題に対処しなければならない、それでこの映画を作ろうと決心した」

──あなたは彼が選挙に勝つだろうと予測しましたよね。

「ただ僕の予想したような勝利ではなかった。確かに僕は彼が大統領選に勝利するだろうと予測した。どの州で勝利するかについてもね。全部予想通りだった。

でも自分があのような予想をしたことに対して恥ずかしく思っているんだ。心の底では自分の予想が間違っていてほしいと望んでいたから。でも予想が当たったことで、より多くの人が僕の言葉に耳を傾けてくれるようになったのも事実だと思う」

──本作の撮影は大変でしたか?

「この映画はこれまで作った映画の中で一番たいへんな映画だった。というのも僕らが置かれている現状が最も大変な時期だと感じているからね。僕を含め、クルー全員が状況を絶望的にとらえていて、気持ちが消沈していた。

トランプがこれから先2年も大統領でいる、ひょっとしたら6年、いやそれ以上になるかもしれないと思うと落ち込んだよ。だからこそ、彼を阻止する具体的な行動をとらなければならないと感じたんだ」


──トランプ大統領が就任してからの2年間をどうとらえていますか?予想どおりでしたか?驚きの連続でしたか?

「予想よりも悪い事態になった2年間だと思う。いろいろ小さな変化が常に起こっているのに、全部には目を向けられないのが悲しいよ。トランプ大統領がこの国を破壊しようとしている詳細に目が届かないことが……」

──具体例を出して説明してもらえますか?

「例えば、アメリカには環境保護エイジェンシーという機関があって、子供の健康を守るための環境、空気や水といった環境を保護する仕事をしているんだ。

トランプ大統領はこの部署の長とスタッフを全員解雇したんだ。ちっぽけなことじゃないかという人もいるかもしれない。ただこのようなことが毎日起こっているんだよ。トランプ大統領はアメリカ政府の構造自体を破壊して、解体しようとしているんだ。

国の保有地を石油会社やガス会社に無料で払い下げした。毎日、おそらく12件はこういったことが起こっている。でも他の問題が大きすぎて、僕らの目が行き届かないんだ。しかしこういった小さな問題が山積して、世界中に悪影響を及ぼしていくことになる」

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