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「東京いいことない」 地方移住セミナーが盛況 なぜ20~30代は地方都市を目指す?

11/7(水) 8:11配信

NIKKEI STYLE

 首都圏から地方に移住するセミナーが盛況です。移住相談の窓口として39道府県が相談員を置くNPO法人ふるさと回帰支援センター(東京・千代田)の2017年の利用者は3万3165人と前年より25%増えました。今年は4万人を超える勢いで真剣に移住を考えている人のほか、地方の暮らしぶりを知りたいという人も多いようです。ふるさと納税もそうですが、そのまちと関わりを持っていたいファン、いわゆる「関係人口」の広がりを映しています。

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 10月末の週末金曜の夜、同センターで広島県が開いたセミナーでは、広島に移住して起業した3人のゲストの話に20~30歳代中心の23人が聞き入りました。仕事はアンティーク家具や雑貨の製造販売で年商は3200万円から400万円まで様々。ネット販売が主体で年商400万円でも「東京で美容師をしていた頃より生活水準は上がった」という話に参加者はうなずいていました。

 セミナー後は懇親会で交流。知り合いになったゲストのもとを実際に訪れる参加者もいてファンが広がります。珍しい特産品や田舎暮らしを楽しむ人との出会いに期待する参加者も多いようです。すぐに移住しなくても「観光以上、移住未満」のつながりを持ってくれる関係人口を自治体は増やそうとしており、同センターのセミナーは今年500回を超えそうです。

 かつて移住相談に訪れる人はシニア層が中心でしたが、今は20~30歳代が半数を占めます。移住希望の若い世代の関心は仕事です。この日、別の部屋では山口県が事業承継をテーマに移住セミナーを開いていて24人が耳を傾けていました。共働きの奥さんと参加していた30歳代男性は「来春に移住を考えていますが、事業承継は少し違うと感じました。転職先を探しています」と話していました。

 転職先の企業を見つけやすいのは地方の中核都市でしょう。同センターの高橋公理事長は「最近の傾向は山村より地方都市」と指摘しています。移住を希望する地域で地方都市は17年に64%と前年より14ポイントほど増え、農村や山村、漁村の希望者は減りました。政府も地方創生の一環で地方都市の魅力を高める方針を打ち出しています。

 ただ人口移動をみれば、地方から東京圏への流入はなお流出より年10万人以上多く、東京一極集中の流れは変わりません。17年の移住希望先ランキングでトップの長野県の移住相談員は「若い世代は将来、出産や仕事の転機に移住を考えたいという人が多く、とても計画的です」と話しています。若い世代に関係人口から始めて長い目で寄り添う移住対策が大切かもしれません。

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最終更新:11/7(水) 8:11
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