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300年の技術を今のカタチに 日本が世界に誇る現代の名品

11/8(木) 7:20配信

FRIDAY

後継者不足や、海外の安い労働力との競争から、時代とともに先細っていくばかりの日本の工芸産業。その中には、300年、400年の昔から引き継がれてきた、卓越した技術が多い。

今、新しい世代の後継者たちが、現代の生活に溶け込むデザイン、現代の日常に即した道具を開発し、新たな消費者をつかみ始めている。今回は、創業300年の奈良の老舗、中川政七商店が主催する合同展示会「大日本市」で見つけた、国内のみならず海外からも注目を集める、現代の名品たちを紹介する。

楽しくしっかりとした生活文化を発信し、食卓から幸せに

かもしか道具店(三重県菰野町)

沼波弄山(ぬなみ ろうざん 1718~1777年)が陶祖といわれる萬古焼(ばんこやき)。名前の語源である「萬古不易(永久に変わらないこと)」とは裏腹に、産地である菰野町では、時代の流れに逆らわず、技を積み重ね、必要に応じて商品を変化させてきたという。その積み重ねが、現在の鍋や急須を得意とする商品ラインナップに生かされている。

そんななか、窯元である山口陶器が2014年に立ち上げたブランド『かもしか道具店』が人気を集めている。ブランドを企画したのは28歳で脱サラし家業を継いだ山口典宏社長。そのコンセプトは、「たのしく、しっかりとした生活文化を発信し、食卓を通じ幸せを届けること」というように、吹きこぼれることなくおいしいご飯を炊ける鍋や、時間をかけずに調理できる三とく鍋など、生活の本質的な価値を大事にする商品を生み出し続けていて新鮮だ。

「広く万人受けするものではなく、特定の誰かを思って生み出した商品は、国内海外問わず、ハマる層がある」というように、従来の常識にとらわれない発想力で勝負する。

道具を選ぶことは、料理を作ることの第一歩

DYK(新潟県三条市)

1866年、初代高橋儀平がのこぎり鍛冶として三条町で創業した高儀(たかぎ)は、各地の市へ出向き、自社ののこぎりだけでなく、お客様の要望に応じて近隣の鍛冶屋が造る道具を目利きして販売するようになり、大工道具の卸問屋として発展した。

古くから日本の大工たちは「道具を見れば職人の腕がわかる」と言われ、「道具の取り合わせの妙」にこそ、大工のこだわりや哲学が現れていた。高儀では、より良い取り合わせを行える道具を目利きし、品ぞろえ、提案をすることで長く愛されてきたのだ。

その精神を料理の世界に生かしたのが、キッチンツールのブランド「DYK(ダイク)」だ。料理も同じく、道具それぞれの相性を考え、取り合わせることによって美味しい一皿を作ることができる。そんな信念のもと、料理をする人の美意識を引き出すキッチンツールを作り出している。

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最終更新:11/8(木) 7:20
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