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『スター・ウォーズ』を巡るネットの議論に、政治工作の不気味な影を見た

11/8(木) 18:10配信

WIRED.jp

SNSにおける映画作品についてのコメントには、ファン同士の議論を装って政治的な影響を及ぼそうとする意図的かつ阻止的な手法が潜んでいる──。代表例として挙げられていたのが、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』である。アジア系女優が嫌がらせを受けた事件も記憶に新しいが、『WIRED』US版の映画担当エディターも不快かつ奇妙な議論をネット上で吹きかけられていた。一連の事実から見えてきたことは。

銀河系の素晴らしい日々の“終わり”

昨年末の話になるが、Facebookである人物(ここでは単に「ファン」としておこう)が、ライターであるわたしの投稿にコメントしてきた。ライターたちは、なぜ「どんな話でも女性差別の問題に結びつけて騒ぎ立て、最終的にはトランプ大統領の名前を持ち出してくるのか」という内容だった(この人物はわたしの職業をもっと差別的な単語で表現していたが、ここでは「ライター」という言葉に置き換えておく)。

ファンが問題にしていたのは、以前に『WIRED』US版に掲載された『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』における多様性を扱った記事だった。わたしはここで、作品への性別や人種に基づく差別的なコメントを批判している(ただ、トランプ大統領のことには一言も触れていない)。Facebookのメッセージは、まさにそうした差別的な言葉を撒き散らし、わたしのような人間は自殺すべきだという示唆で締めくくられていた。

これにはひどく考えさせられた。単に不快だったというだけでなく(もちろん腹は立ったが、ネットでスター・ウォーズについて何か書く以上、こうしたことが起きるのはある程度は覚悟している)、そこで使われていたある種の言説が奇妙だったからだ。

ファンからのコメントには、「トランプは勝利した」、今後「リベラル」が米国を支配することはないだろう──ということが、何回も繰り返されていた。

スター・ウォーズに関しては「理解できない」とはよく言われるが、映画そのものについてではなく、政治的な議論をふっかけられたことはあまりない。わたしの記事は政治色が皆無というわけではなかったが、それよりはむしろ、キャスティングにおける多様性を論じたものだった。

とにかく、すべてが変だった。ネット荒らしをする人間は機会があれば何にでも飛びつくのだろうが、それにしても、このメッセージに限っては特殊な使命のようなものを感じたのだ。

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最終更新:11/8(木) 18:10
WIRED.jp

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