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世界遺産になる前に「奄美・沖縄」について日本人が知るべきこと

11/8(木) 9:00配信

現代ビジネス

むしろ「遅すぎた」ほど

 11月2日、菅官房長官が「奄美・沖縄の世界遺産登録再申請」の決定を発表しました。

 これらの地域が世界自然遺産に登録されれば非常に名誉なことですが、長年「琉球」の自然を調査してきた筆者にとっては、むしろ「遅きに失した」と思えるほど、当然のことと感じられます。この機会により多くの人に、これらの地域の本質を知ってほしいと望んでいます。

 今回の登録候補地域は、「奄美大島」「徳之島」「沖縄島北部」および「西表島」。この切り取り方と組み合わせ方は、筆者に言わせれば「これしかない」と言うべきベストな選択です。

 読者の皆さんの中には、「単独では登録できないから、寄せ集めにしたのでは?」と穿った見方をする方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではないでしょう。これらの地域は、それぞれ単独(細かく言えば「奄美大島+徳之島」「沖縄本島北部」「西表島」)でも、ひとつひとつが十分に、世界自然遺産に相応しい地です。

 また、一見同じような自然環境に見えても、それぞれの自然の根本的な構成には大きな差異があります。細かく見れば異なる要素を持っている一連の地域が、一括して自然遺産に登録されれば、それは非常にポジティブかつ大きな意味を持ちます。

 「南西諸島」全体を捉える場合、本来ならばもう一つの独自の自然環境を持つ地域、「屋久島」もこの中に加えたいところです。西表島と対になる意味合いを持つ地史的・生物地理的空間として、屋久島が重要になってくるからです(もちろん屋久島はすでに単独で自然遺産に登録されているので、除外されて当然なのですが)。

 4つの島(屋久島を含めれば5つの島)に代表される、九州と台湾の間に連なる島々。それぞれが持っている自然の独自の魅力はもちろん、これらを異なる要素が集合した「列島」として捉えれば、さらに魅力が倍増します。本稿では、一般的な「南西諸島」「琉球弧」の捉え方とは異なる角度から、この世界に新たな光を当てて行くことを目指します。

 前回の記事では、南西諸島北部(北琉球)に位置する屋久島の話題からスタートしました。九州に近い「北琉球」から、台湾の手前の「南琉球」まで、それぞれの島々の自然の特徴を順に紹介していく予定ですが、多くの読者は、まず「南西諸島」の位置関係などを正確に把握していないかもしれません。そこで、まずは南西諸島の中心をなす沖縄本島の自然から紹介し、その後に改めて北から南に進んでいくことにします。

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最終更新:11/8(木) 9:00
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