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東野幸治が描く“キングコング西野伝説” 「芸人とは職業名ではなく『生き様だ』と宣言」

11/8(木) 8:10配信

デイリー新潮

 東野幸治が仲間たちの秘話をつづる連載「この素晴らしき世界」。今週のタイトルは「宣言しまくる男、キングコング西野(2)」。西野さんの止まらない快進撃とは……

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 キングコング西野亮廣君の華麗なる軌跡の続きです。

 絵本に続き、ビジネス書も出版。そこには西野君による名言・迷言が書かれていて、例えば「ウォルト・ディズニーを倒す」。ここでも大好きな「宣言」ですねぇ。こうなってくると、周りから「気が触れたのか?」と心配され始めます。そんな心配をよそに、今度は「ディズニーの倒し方がわかった」とも言い出しました。もちろん誰も信じず、狂人扱いされ始め……。

 またまた「アメトーーク!」では私が持ち込んだ「スゴイんだぞ! 西野さん」という企画もありました。そのビジネス書をいじり倒し、西野君が編み出した「ドキドキしてる?」というポジティブワードで、私は強引に皆を笑わせました。が、放送後、本は全く売れず、私は「申し訳ないことをした」と反省しました。

 そんな西野君、ここへきて、芸人とは「職業名」ではなく、「生き様」だと宣言。意味わかる方います? 

 西野君の快進撃は止まりません。深夜番組「ゴッドタン」では、劇団ひとり君に服をビリビリにされ、イジられ倒されます。あのシュッとした西野君が、です。もちろん、思い切り「ゲロすべり」(西野君の言葉ママ)しました。

 ハロウィンの翌日に渋谷で「娯楽としてのゴミ拾い」を計画。アンチのネット民が大挙して渋谷に押し寄せ、先にゴミを拾ってしまうという珍事が起こり、遅れてやって来た西野君達はやることがなくなる。西野君の宣言の影響力は絶大ですねぇ。

 5冊目の絵本『えんとつ町のプペル』は、複数のクリエイターが関わる分業制で4年以上かけて完成。その資金はクラウドファンディングを利用して、3千人から1千万円以上を調達したといいます(この当時お笑い芸人でクラウドファンディングを使い成功した最初の人だと思います)。

 さらに発売直前には、『プペル』の個展を入場無料で開催するためのクラウドファンディングも実施し、6千人以上が参加。4600万円を超える資金が集まりこれも大成功。

 驚くなかれ、まだまだあります。発売されると、西野君はいきなり、『プペル』をネットで無料公開すると言い出します。作家自身が自分の作品を無料で公開する是非が議論され、ネットは大炎上。結果、(西野君の想定通りか)本は30万部を超える大ヒット、映画化も決定します。

 2次元の世界だけにとどまらない西野君の創作意欲が次に向かったのは、「おとぎ町」という街づくり。この辺りから僕もだんだん、彼が何をしたいのかわからなくなっていきます。

 アイリッシュ音楽が好きになった途端、仲間と音楽とお酒がお気に入りになったかと思えば、「ゴッドタン」で劇団ひとり君に、もっと服をビリビリにされ、肛門に指を入れられ……前回以上に思い切りのいい「ゲロすべり」。

「芸人が絵本なんて描くな」と方々から言われると、「芸人引退宣言」と同時に「絵本作家宣言」を……って何回めの宣言だよ! 

 ナインティナインの岡村隆史君から「芸人として、かくあるべき」と言われると、「岡村さんが嫌い」と先輩芸人に向って宣言したかと思えば、「めちゃイケ」内ですぐに仲直り。

 この辺りから西野君もちょっと迷走気味になっていくのか、「座らない」と宣言したのに、バラエティ番組のひな壇に座ってみたり、「大人のための学校『サーカス!』」というイベント(内容は私に聞かないで下さい)を立ち上げたりします。

(つづく)

東野幸治(ひがしの・こうじ)
1967年生まれ。兵庫県出身。東西問わずテレビを中心に活躍中。著書に『泥の家族』『この間。』がある。

「週刊新潮」2018年11月1日号 掲載

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最終更新:11/8(木) 8:10
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