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ゲーム開発スタジオが閉鎖されたとき、目を向けるべきは「作品の行方」ではない

11/9(金) 12:20配信

WIRED.jp

わたしたちは、ゲームスタジオについての議論を改める必要がある。だが、それ以上に改めなくてはならないのはゲームスタジオの閉鎖についての議論だ。

ゲームのバトルロワイヤルが人気の理由

ゲームメディア『PC Gamer』によると、過去1年で閉鎖された大手ゲームスタジオは10にのぼり、各スタジオには十数人から数百人の従業員がいたという。

『デッドライジング』シリーズを開発したカプコン・ゲーム・スタジオ・バンクーバー(Capcom Vancouver)から、『Dead Space』シリーズの開発担当で、待望の「スター・ウォーズ」のオープンワールドゲームの開発中だったエレクトロニック・アーツ(EA)傘下のヴィセラルゲームズ(Visceral Games)まで、スタジオが次々と閉鎖している。

最近閉鎖し、おそらく最も話題になったのは、テルテイル・ゲームズ(Telltale Games)の大部分閉鎖だろう。テルテイルは数々の受賞歴をもつゲームスタジオで、「ウォーキング・デッド」シリーズなど、物語性の強いアドヴェンチャーゲームで有名だ。

同スタジオは最近、従業員275人を解雇した。カリフォルニア州サンラファエルにある本社は最低限の人数で継続しているものの、報道によると大部分のスタッフは事前告知も退職金もなく職を追われたという。

ゲームをつくるのは「人」だ

スタジオが閉鎖すると、おおむね2種類の反応がある。

ゲーム業界で働く人のコミュニティからは、スタジオへの抗議があがる。職を失った人々の立場に共感し、彼らが別の仕事を見つけてうまくやっていけるように、支援しようという声だ。

そうした声は、ファンからもある程度は聞こえてくる。しかし、彼らに共感し、彼らを支援しようという声は、ゲームファンのコミュニティのなかではもうひとつの声に圧倒されてしまう。この声は大きく、キンキンと甲高く、常に注目を集める。その声は冷たく問いかけるのだ。「われわれのゲームはどうなるんだ?」と。

そういう意見を読みたければ、Twitter上で一時閉鎖を告知したテルテイルへのリプライ、または「ウォーキング・デッド」シリーズ最終作の制作が止まるかもしれないと語ったさまざまなスタッフへのリプライをみればいい。気が滅入るのでリンクは張らないが、簡単に見つかるだろう。

テルテイルはそんな声に圧されてプレスリリースを発表し、なんとかして「ウォーキング・デッド」を完結させると約束した。だがそんな約束は、スタジオが長い間スタッフを酷使していた歴史も、テルテイルを一時閉鎖に追い込んだそもそもの原因である経営ミスも、なかったことにしてしまっている。

ゲームをつくるのは人だ。ゲームのことを気にかけるなら、ゲームをつくる人のことを気にかけねばならない。本当なら、ゲームそのものより、それをつくる人のほうを気にかけるべきなのだ。

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最終更新:11/9(金) 12:20
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