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スマートフォンは亡命希望者の敵か味方か? 移民規制に動く欧州諸国、携帯電話のデータ解析を本格化

11/9(金) 12:21配信

WIRED.jp

欧州諸国のリーダーたちは、いま移民を減らすよう求める人々の声に押されている。そんななか、亡命申請者の“嘘”を見抜くために使われ始めているのが、スマートフォンのデータだ。Facebookやメッセンジャー、位置情報の履歴まで当局が合法的に入手できるようになりつつあるいま、「自由へのツール」だったはずのスマートフォンが、希望を砕きかねない状況も生んでいる。

自由へのツールか、希望を砕く裏切り者か

スマートフォンは、数万人に及ぶ移民たちが欧州へわたる際に一役買ってきた。スマートフォンがあれば、家族あるいは密入国請負人たちと連絡を取り合える。移動中にFacebookをチェックして、国境封鎖、各国の政策変更、警戒すべき詐欺師の情報を得ることだって可能だ。国境警備隊の目をすり抜けるためのアドヴァイスも、WhatsAppを通じて拡散されている。

そんななか、各国政府は移民のスマートフォンを強制送還に利用しはじめた。

欧州ではじまった移民の「スマホ調査」

欧州全域で急成長中のフォレンジック産業が移民たちの前に立ちはだかっている。この業界は、スマートフォンのメッセージや位置情報履歴、さらにはWhatsApp内のデータの抽出を専門としている。こうして取り出した情報には、携帯電話の所有者を窮地に追い込むほどの力があるのだ。

ドイツとデンマークは2017年、移民局職員が亡命希望者の携帯電話からデータを抽出できるよう法を改正した。ベルギーとオーストリアでも同様の法案が提出されており、英国とノルウェーでは数年前から亡命希望者が所有するデヴァイス類の調査が行われている。

EU全域で保守派が優位を占めるなか、追いつめられた各国政府は難民減らしに苦慮しており、亡命申請の不正問題に取り組むのが手っ取り早いと見たようだ。

18年6月末にブリュッセルで行われたEU首脳会議では、難民管理に関する新たな厳しい枠組みを設けるとの結論に達した(メルケル首相を批判するドイツ国民をなだめるには不十分に思えるが)。欧州各国の移民局は、スマートフォンのデータを強制送還に利用するための法改正やソフトウェア開発に新たな意欲を見せている。

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最終更新:11/9(金) 12:21
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