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衝撃! キャッシュレス大国・中国の「知られざる闇」

11/9(金) 11:00配信

現代ビジネス

「偽札」をつかまされなくなったのはよかったが…

 「いまどきの中国人は財布なんて持たないのさ」――そんなコメントをよく聞く。日本に来た中国人観光客は、財布を開いて小銭を数える日本人をチラ見して、「中国は完全に日本を抜いた」と溜飲を下げているらしい。

 だが、「財布を持たない」なんてホントなのか、「現金いらない」は単なる見栄じゃなかろうか? じつは、そう思わざるを得ない「キャッシュレス問題」が中国ではいまいたるところで起きているからだ。ほとんど報じられてない中国キャッシュレス化の「闇」についてレポートしたい。

 スマートフォンに表示されたQRコード(モノクロの四角い画像)をピッとスキャン。一瞬にして代金支払い完了のQR決済サービスが中国の人々にもたらすのは「煩わしさからの解放」だ。

 小銭を数えないで済むし、最高額面の100元札で財布を膨らませなくても済む。何より偽札をつかまされなくなった。 “トランプのババ”よろしく流通するニセ札、つかまされたその日は夜も眠れないという中国人は星の数ほどいた。

 上海でブティックを経営する女性も「従業員も売上金をちょろまかせなくなった」とニコニコ顔だ。野菜や肉を売る市場のおばさんたちは、「これまで角の単位は客に値切られていたが、おかげで1角、2角の単位まで課金できるようになった」と喜んでいる。富裕層相手の高級食材店も「小銭がいらなくなったので銀行に両替に行く手間が省けた」と大歓迎だ。

 2013年、中国は「インターネットファイナンス元年」を迎えたが、以来、すっかりQRコード決済は中国市民の生活の中に定着したかのようだ。

QRコードで「金を騙し取られる事件」が続出中!

 中国に拠点を持つアイリサーチによれば、中国のスマホ決済の規模はアメリカの50倍。中国ではスマホ決済が爆発的に伸びており、2017年に中国の商業銀行が処理したスマホ決済業務は375億件(前年比46%増)、金額にして202兆元(前年比28%増、約3232兆円)となった。

 これが物語るのは、朝起きてから寝るまでQRコードにガッツリ支配される中国の現代人の生活だ。上海・浦東の金融街で働く何華(29歳、女性、仮名)さんもそのひとり。朝ごはんの定番「大饼油条」を買うのもQR、シェアサイクルの開錠もQR、商品情報を得るのもQRと、一日5~6回はQRコードを読み取るのだという。「QRコードとスマホ決済は便利すぎ、これなしには生きていけない」(何さん)らしい。

 けれども何華さんはどこかでこの“神決済”を疑っている。その理由は「お金を騙し取られたニュースが絶えないから」だという。

 例えば、通販サイトの買い物中に、商店側から「商品情報はここ」と送られてきたQRコードを読み取った瞬間に、モバイルウォレットから18万元(約288万円)が消えてなくなったとか、シェアサイクルを開錠しようとQRコードをスキャンしたらデポジットの名目で299元(約4780円)が引き落とされたとかいう事件がある。

 一部のメディアが報じるのは、2017年に広東省で起きた日本円にして14億円超が盗まれる事件だ。上海在住の日本人からは「充電した瞬間に残高がなくなるという被害もあるらしい」という話も聞いた。

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最終更新:11/9(金) 11:00
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