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「実家大好き45歳男」に惚れた女性の“相場観”

11/9(金) 5:50配信

東洋経済オンライン

 東京の中央線沿線にある老舗の喫茶店に来ている。小さなテーブルを挟んで筆者と向かい合っているのは、機械メーカーで働いている大林康彦さん(仮名、45歳)と病院勤務の美佐さん(仮名、46歳)。昨年結婚したばかりの晩婚さんだ。

 2人ともおとなしそうな風貌だが、康彦さんのほうは目が少年のように輝いている。カピバラのようなかわいらしい雰囲気だ。そんな康彦さんを愛おしくて仕方ない様子で美佐さんが寄り添っている。

 小さな懸案もある。2人は東京の西部にある2DKのアパートで新婚生活をしているが、駅から離れているのに家賃は約10万円と安くない。それぞれの勤務先は東京の東部にあるので、通勤に1時間半以上かかっている。

■実家から離れられない夫

 勤務先にもっと近くて安い賃貸物件はいくらでもある。しかし、康彦さんが首を縦に振らなかった。一人暮らしの母親を心配し、実家から徒歩圏の場所に住むことを主張したのだ。40代半ばまで実家暮らしだったので、自分も地元から離れがたかったのかもしれない。

 「せっかくの結婚をダメにしないように、今はそこに住んでいます。康彦くんは会社帰りに毎日のように実家に行くんです」

 「そんなことはないよ」

 インタビューの前に軽い口げんかを始める2人。やめてください……。晩婚夫婦はいろんな過去やしがらみを背負っているので、共同生活をしながら少しずつ折り合いをつけていくしかないのだ。いずれは美佐さんの両親も老い、康彦さんが介護に協力してくれる日が来るだろう。

 気を取り直して、まずは康彦さんの話から。都内に実家がある大企業の正社員と、条件面ではモテそうだ。結婚する機会はなかったのだろうか。

 「恋愛することは多少はあったけれど、結婚するきっかけにはなりませんでした。僕は自由気ままな風来坊なんです。音楽と絵が好きで、いくつかのサークルに入っています。国内各地のイベントに出向くことも少なくありません」

 実家暮らしで「風来坊」はないだろう、とツッコミを入れたくなるのを抑えつつ、美佐さんとの出会いについて聞いた。3年前の秋に開かれた小さな音楽会だったという。

 「美佐ちゃんの第一印象は、おとなしそうなのに積極的に話しかけてくれる人、です。連絡先も交換して食事に行く約束をしたのですが、ドタキャンされたので『じゃ、いいか』と思って連絡をしなくなりました。再会したのは去年の2月です。それからの美佐ちゃんはドタキャンをしなくなったので、よく会うようになりました」

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