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フランス人記者が見る、安田純平氏「自己責任論」の根底にある社会的背景

11/9(金) 10:00配信

週プレNEWS

3年4ヵ月もの間、シリアで武装勢力に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平氏に対し、「自己責任」を問う激しいバッシングが沸き起こった。日本で長らく生活する外国人ジャーナリストの目には、この「自己責任論」はどう見えているのか? 「週プレ外国人記者クラブ」第132回は、フランス「ル・モンド」誌の東京特派員、フィリップ・メスメール氏に聞いた――。

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──日本政府が渡航自粛を呼びかけていたにもかかわらず、現地に入って拘束された安田さんに対し、「自己責任論」によるバッシングが沸き起こっています。メスメールさんはこうした反応をどのように見ていますか?

メスメール ある程度予想できたことで、特に驚いてはいません。日本で「自己責任論」が最初に沸き起こったのは、2004年にイラクでボランティア活動家ら3人の日本人が人質になったときだったと思いますが、当時と今回では状況が大きく異なります。

2004年のときは自衛隊のイラク派遣問題が絡んでいたという政治的な事情もあり、政治家たちが積極的に言及して自己責任論を広めていた。それに対し今回は、より単純な「フリージャーナリストが海外で人質となった」事件であり、自己責任論は政府からというより、日本社会の中から沸き起こり、拡散しているように見えます。

もちろん、日本人のすべてが自己責任論を支持しているわけではないでしょう。しかし、2004年から14年が経った今、自己責任論的な考え方が日本社会に広く定着し、既に多数派を占めているように感じています。そこで、私なりに考えてみたのですが、自己責任論が主流派になっていることには、いくつかの背景があると思います。

──どんな背景でしょう?

メスメール まず挙げたいのは「日本人と情報」の問題です。安田さんは自らリスクを背負って危険な現地に赴き、「シリア内戦で何が起きているのか」という現実を、自分自身の手による「生の情報」で伝えようとしていたわけですが、日本社会ではそういった「生の情報」、「正確な情報」の重要性が理解されていない、あるいは軽んじられているように思います。

日本社会が「情報の価値」よりも優先するのは「社会の調和と安定」です。リスクを冒して戦地から得る貴重な情報よりも、日本人が現地で事件や事故に巻き込まれないことが優先される。だから、政府は危険地域への渡航自粛を呼びかけ、テレビや新聞などの大手メディアもその要請を受け入れる。なぜなら、それが双方にとって安全で、都合がいいからです。

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最終更新:11/9(金) 19:26
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