ここから本文です

柳宗理の作品から「くらし」と「かたち」のありかたを考える。

11/12(月) 19:10配信

Casa BRUTUS.com

《金沢美術工芸大学》への寄託資料を中心に柳のプロダクトデザイン等を展示。柳作品でコーディネートされた空間展示も行う。

柳宗理(やなぎそうり)は民藝運動を牽引した柳宗悦の長男であり、日本のインダストリアルデザインの第一人者、そして、日本を代表する工業デザイナーだ。1953年に《財団法人柳工業デザイン研究会》を設立し、キッチンウェアなどの生活用品から、関越自動車道関越トンネル坑口、歩道橋などの大型公共構造物まで、くらしに関わるもののデザインを幅広く手がけた。1956年に発表された《バタフライスツール》は、当時、日本ではあまり普及していなかった成形合板技術を採用。日本が誇るミッドセンチュリー家具の代表作として〈MoMA(ニューヨーク近代美術館)〉の永久所蔵に認定されている。東京五輪や札幌五輪の聖火トーチホルダーを担当したのも柳だ。

極限まで削ぎ落としたシンプルさと使いやすさを追求した彼のデザインは、今なお人々の暮らし中に息づいている。

さらに柳は《金沢美術工芸大学》のデザイン教育にも長く携わったことでも知られていて、同大学デザイン科の「手で考える」理念には柳の手で模型を作りながら考えるデザイン手法が映されている。その縁から2012年3月、作品をはじめとするデザイン資料約7000点が《財団法人柳工業デザイン研究会》から《金沢美術工芸大学》に寄託された。

「柳宗理 デザイン くらしとかたち展」では、その寄託資料を中心に、プロダクトデザイン(家具、インテリア、キッチン、テーブルウェアー、工業製品)、グラフィックデザイン(ポスター、装丁、パッケージ、サイン関連ほか)を展示。オリンピック関連のデザインや、歩道橋、高速道路関連などの公共物のデザインも紹介する。また、柳宗理作品でコーディネートされた空間展示も行う。

柳の手によって生み出されたかたちと、独自の眼によって国内外から選ばれたものを通して柳宗理の生涯にわたるデザイン活動、そしてその原動力となったデザイン思想を顧み、「くらし」と「かたち」のありかたについてこれからの指針を探る。

また、ミュージアムショップでは柳漆椀、Yグラスなど、復刻品の先行販売も行われる。

text_Aya Hasegawa

最終更新:11/16(金) 22:17
Casa BRUTUS.com

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Casa BRUTUS

マガジンハウス

1月号 Vol.226
12月7日

980円

今、身につけたい茶の湯の教養。
茶室、茶碗、和菓子の基礎知識。

あなたにおすすめの記事