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広島・丸佳浩はどこへ行く? FAで巨人入りした“大物野手8人”にみる残念な共通点

11/13(火) 6:50配信

デイリー新潮

入団を確実視する報道も

 スポーツ紙を中心に、広島・丸佳浩外野手(29)の報道が増加している。もちろん、国内FAの権利を行使したためだ。最大の注目点は、巨人入団が実現するか否かだろう。

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 丸に対して巨人が示す条件も、既に掲載されている。主なものを電子版から数紙、紹介しておこう。

◆広島・丸FA権行使へ 巨人が25億円大型契約用意 球団初の宣言残留も(スポニチアネックス:11月4日)

◆巨人、FA広島丸に最低4年20億円以上で獲得へ(日刊スポーツ:11月8日)

◆原巨人がFA宣言・丸に最敬礼 ゴジラ級の破格条件「5年30億円」!?(東スポWeb:11月8日)

 今季の巨人打線はゲレーロ(31)の不振もあり、先発オーダーがなかなか安定しなかった。規定打数に達したのは年齢順に、亀井義行(36)、マギー(36)、坂本勇人(29)、岡本和真(22)の4人のみ。ちなみにリーグ優勝を成し遂げた広島と西武は共に6人が規定打数に達している。

 巨人の規定打数に達した主軸4人と、丸佳浩の成績を比べてみた。表にしてみたので、ご覧いただきたい。

 巨人にとって丸を獲得するのは、岡本が2人になることを意味する。おまけに丸は、坂本の長打率と出塁率を上回る。巨人のフロントからすれば、20億でも30億でも獲得したい選手なのかもしれない。

 だが、ここで筋金入りのジャイアンツファンは、不安がよぎるのではないだろうか。巨人にFA移籍した選手で、翌シーズンに大活躍したバッターがどれくらい存在したかという点だ。

 これまで巨人にFA移籍した選手のうち、打者は11人。このうち、特に話題が集中した大型補強の8人を具体的に見てみよう。比較対象としたのは打率や本塁打数のキャリアハイを達成した年と移籍前年、そして移籍1年目の個人成績だ。8人を4人ずつ、2つの表にした。ご覧いただきたい。

純粋な成功例は1選手だけ? 

 まず確認しておく必要があるのは、「FA行使後、巨人で本塁打数や打率などでキャリアハイを達成した選手は1人もいない」という事実だろう。

 ちなみに丸の場合、本塁打は今季18年の39本、打率は14年の3割1分0厘が、現在までのキャリアハイとなる。上の“ジンクス”が丸にも当てはまると、巨人の彼は本塁打を38本までしか打てないことになる。打率が3割1分を超えることもない。

 興味深いのは、年齢の問題ではないということだ。落合博満氏(64)のように、32歳でキャリアハイを実現し、40歳を目前に巨人へ入団したのなら、記録が下がるのも仕方あるまい。

 だが、現在は巨人の二軍でコーチを務める片岡治大氏(35)や現役外野手の陽岱鋼(31)は、当時30歳で巨人に移籍した。33歳や35歳でキャリアハイを実現させても不思議はないはずなのに、2人とも不振に悩まされた。

 その上で、8人に明暗が存在するのは事実だ。まずまずの成功例としては、現在は巨人の3軍監督を務める江藤智氏(48)が挙げられる。

 広島での最終年と比較すると、移籍した2000年は本塁打を5本も伸ばした。第2次政権の長嶋茂雄氏(82)が3回目のセリーグ優勝を果たすのに大きな役割を担った。この年の日本シリーズはソフトバンクホークス会長・王貞治氏(78)が率いるダイエーホークスとの「ONシリーズ」となり、巨人が日本一に輝いている。

 次に「前年並み」の成績を残したのは、落合博満、清原和博(51)、小笠原道大(45)の3氏。打率も本塁打数も変動は「誤差の範囲内」という成績だが、ここで考えるべき問題は2つある。

 1つ目はFA組には「優勝請負人」という役割を期待されていることだ。非常に高額な契約額は、ファンを歓喜させるために支払われる。

 そんな彼らが「前年トントン」という成績だった場合、ファンが“コストパフォーマンス”の観点から首を傾げるという状況は決して珍しくない。「FAより育成に力を入れて」と訴えるファンの数は、決して少なくない。

 2つ目は、たとえ期待されたような成績を残せなかったとしても、チームが優勝してしまえばファンの評価は甘くなるという傾向だ。8人のFA選手で、移籍1年目に巨人がリーグ優勝したケースは、なんと5例にのぼる。確率は62.5%と高い。

 例えば巨人ファンにとって、清原氏への評価は割れることが多い。それは彼が入団1年目に、チーム成績が4位と低迷したことも影響を与えているのかもしれない。広澤克実氏(56)と陽岱鋼にも同じことが言える。

 本題に戻れば、ファンを落胆させた「失敗例」は残りの4人。広沢克己、村田修一(37)、片岡治大の3氏と、現役の陽岱鋼だ。

 これを監督側から見てみると、長嶋監督の時代は成功1例、現状維持2例、失敗1例。原監督は現状維持1例、失敗3例となる。ここに指導力の差を見るかどうかは議論が分かれるところだろう。

 結論を言えば、FAの成功例は極めて少数派だ。良くて現状維持であり、8人のうち4人が入団1年目に不振に陥った。まだ30歳の丸にとって、今後キャリアハイの成績が更新できないのであれば、やはり巨人へ移籍しないほうが賢明ではないか。

週刊新潮WEB取材班

2018年11月13日 掲載

新潮社

最終更新:11/17(土) 15:55
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