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正座して聴け! 六文銭のプロテストソング集が持つ50年の重み〈週刊朝日〉

11/16(金) 16:00配信

AERA dot.

 小室等が率いる六文銭のニュー・アルバム『自由』。思わず居ずまいを正して聴き入った。生ギター主体のフォーキーでシンプルな演奏とサウンド。個性的な4人のヴォーカル&コーラスのアンサンブルの妙に心を打たれた。

【ニュー・アルバム『自由』のジャケット写真はこちら】

 年輪を重ねて深みや味わいを増した小室の歌声。及川恒平の凛とした歌声からは思うままにキッパリと主張しないではいられない心意気がうかがえる。四角佳子の歌声はコケティッシュで俗っぽく、こむろゆいの歌声は自然体そのままで偽りがない。

 CDの帯に“活動開始から50周年!”とあるように六文銭の歴史は古い。1960年代、小室がアメリカのモダン・フォーク、とりわけピーター・ポール&マリーに刺激され、P.P.M.フォロワーズを結成したことから始まる。

 コピー・バンドが大半を占めていた当時、オリジナル曲を手がけ、創作意欲に燃えていた小室は、詩人の茨木のり子を通じて谷川俊太郎ら現代詩人の存在を知った。同じころ、日本の不条理演劇、小劇場演劇の黎明期に戯曲家の別役実と出会い、音楽を担当。その際に劇音楽伴奏楽団の団員だった及川と知り合った。

 小室は68年に六文銭を結成。コピー主体のフォーク・バンドや関西のトピカル/プロテストソング主体のアングラ・フォークとも異なり、“歌”としての“詞”を重視した独特の音楽姿勢を示していた。

 六文銭は翌年、当時まだ会員制だったURCレコードからインディーズ・デビューを果たす。その録音にあたって、制作の西岡たかしのアシスタントを務めたのは、URCに入社したばかりの私だった。

 その後、六文銭は及川が参加するなどメンバーが入れ替わる。上條恒彦と共演した「出発の歌」が、「合歓ポピュラーフェスティバル’71」と第2回世界歌謡祭の双方でグランプリを獲得。72年にアルバム『キングサーモンのいる島』でメジャー・デビューしたが、同年に解散。吉田拓郎らとの新六文銭として短期間活動したこともあった。

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最終更新:11/16(金) 16:00
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