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中間選挙で見えた、強気を装うトランプの脆弱な足元

11/15(木) 16:09配信

ニューズウィーク日本版

<選挙には勝ったが、20年の再選と今後の生き残りに暗い影を落とす結果に>

今回のアメリカ中間選挙で明らかになった複雑な民意を単純に白か黒かで判定することは難しい。共和、民主両党は、あらゆる手段を使って自分たちの「勝利」を喧伝している。

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民主党は10年以来となる下院の多数派奪回に沸いているが、共和党は上院の議席差をさらに広げ、民主党の攻勢を押しとどめたと主張する。

共和党はまた、ドナルド・トランプ大統領と民主党の前任者を比較して自分たちは健闘したと指摘する。ビル・クリントンとバラク・オバマはトランプよりも支持率が高かったが、1期目の中間選挙で上下両院の議席を2人合計で131減らす大敗を喫した。それに比べれば今回の共和党のほうがはるかにましというわけだ。

それを踏まえた上で、あえてシンプルに分析してみよう。トランプは選挙に勝った。だが、もっと長い目で見れば敗北に向かって進んでいる。

政治学者の常識的判断に従えば、今回の中間選挙はトランプに「ノー」を突き付けたと言えるだろう。失業率は過去50年間で最低、経済成長のペースは予想をかなり上回り、株価はトランプの大統領就任直後よりずっと高い――これだけの追い風が吹いていながら、下院で三十数議席も減らすことはあり得ない。普通の大統領なら支持率70%、与党は議会で圧倒的多数を握ってもおかしくないはずだ。

民主党は上院での敗北について、自分たちは改選数の関係で26人が再選を果たさなければ負けだったが、共和党は9議席を守るだけでよかったと主張する。つまり、もともと上院の勝利はほぼ不可能だったというわけだ。

だが、民主党は油断してはならない。トランプのやり方は無作法で支離滅裂だが、政治的パワーは健在だ。対決姿勢むき出しだった選挙後の奇妙な記者会見で、トランプは熱烈な自分の支持者ではなかった共和党議員の名前を挙げ、いずれも落選したと指摘した。数字の誇張はいつものことだが(多くのトランプ支持者も落選している)、確かに一理ある。

私は以前のコラムで、激戦の州知事選がトランプの命運を握っていると指摘した。

フロリダ、ジョージア両州知事選の民主党候補アンドリュー・ギラムとステイシー・エイブラムスは、直前の世論調査では優勢だったものの、選挙結果は熱烈なトランプ信奉者の共和党候補に僅差で及ばなかった(どちらも現時点で投票の再集計が行われる可能性は高いが)。

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