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BTS(防弾少年団)炎上 ゆず、RADWIMPS騒動とは違う「浅はかさ」とは何か?

11/16(金) 7:00配信

文春オンライン

 韓国の男性音楽グループ、BTS(防弾少年団)が炎上している。

 今月上旬、メンバーが過去に原爆投下の画像を印刷したTシャツ(原爆Tシャツ)やナチスの鉤十字を記した帽子(ナチス帽)を着用していたことなどが相次いで発覚し、日本のテレビ番組の出演が中止になったり、ユダヤ系人権団体のサイモン・ヴィーゼンタール・センターが非難声明を出したりするに至ったのである。

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 日本のネット右翼が過剰に騒ぎ立てたともいわれるが、問題の行為自体は紛れもない事実だから、これはある程度やむをえない。

BTS騒動を4つに整理する

 私は「音楽と政治」の関係について長らく調べており、これまでフジロックの「音楽に政治を持ち込むな」問題、欅坂46の「ナチス風衣装」、森友学園の軍歌、ゆずの「ガイコクジンノトモダチ」、RADWIMPSの「HINOMARU」などに言及してきた。

 そのため、今回の問題もできる限りで調べてみた。BTSは国外のグループなので情報も限られるが、おおよそ以下の4点に整理できるように思われる(14日付の日本語版の事務所声明も参照した)。

(1)BTSは、光州事件(1980年韓国で起きた、反政府蜂起が軍によって鎮圧された事件)をテーマにした曲を発表するなどしていたにもかかわらず、かならずしも深く政治・社会問題を考えていなかった。

(2)BTSの所属事務所は、「これをやったら炎上する」などのグローバル市場への対応が不十分だった。

(3)以上の2点から、メンバーが原爆Tシャツやナチス帽を着用するなどの事案が発生した。

(4)だがそれは、不用意や不注意の産物なのであって、かれらが反日やナチス肯定などの思想の持ち主であることを意味しない。

BTSの行動は「浅はかだった」に尽きる

 さて「政治と音楽」の関係でみると、今回の問題はきわめて扱いづらい。というのも、BTSの行動があまりにチグハグだからだ。

 BTSが明確に政治的な意図をもって、反日やナチス肯定を歌っていたならば、まだ理解しやすかった。愛国ソングなどと同じく、たやすく批判的に検証もできただろう。だが、今回のケースはこれに当てはまらない。

 一方、政治的な意図はなくても、ビジネス的な動機から政治的な歌が歌われることもある。時局に便乗して、ナショナリズムを煽るなどがそれである。ただ、今回はこれも当てはまらない。

 そもそも韓国の音楽グループは、自国の市場が小さいことから世界を目指すことが多い。そんなかれらにとって、反日やナチス肯定はビジネス的にマイナス以外のなにものでもない。

 つまり今回の騒動は、イデオロギーやナショナリズムの路線でも、ビジネスの路線でも、チグハグなのだ。BTSの行動は「浅はかだった」に尽きるのであって、「政治と音楽」の問題で考えるに値しないのである。

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最終更新:11/16(金) 12:21
文春オンライン

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