ここから本文です

古代の鳥の新種を発見、北米最大級

11/16(金) 7:11配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

同じグループでは最高レベルの保存状態、現代の鳥に近い飛翔能力も

 絶滅した古代の鳥エナンティオルニス類の新種化石が、米国ユタ州で発見された。大きさは現代の鳥で言えばトビほどで、北米で見つかったエナンティオルニス類の化石としては最大級、かつ最も完全に近い。研究結果が、11月13日付けでオンライン学術誌「PeerJ」に発表された。

ギャラリー:恐竜はどのように鳥になったか? 写真5点

 エナンティオルニス類は、白亜紀に世界中で繁栄した原始的な鳥類で、現代の鳥とは近縁だが別のグループ。6600万年前に起きた非鳥類型恐竜の大量絶滅とともに姿を消した。

 このグループの鳥はこれまで、中国の白亜紀初期の地層やミャンマーの琥珀から数多く見つかっているが、そのほとんどが中型や小型の鳥ばかりだった。北米では、今回のものよりわずかに大きいと思われる種も発見されているが、どの化石にも骨が1本しか含まれていない。

 一方、今回の新種化石は7500万年前のもので、足、翼、肩、叉骨、尾、脊椎の一部など全体の約30%の骨がそろっていることから、研究者はこの鳥の飛翔能力についてかなり詳しい情報を得ることができた。

「今のところ、北米で見つかったエナンティオルニス類の骨としては最も完全に近い標本です」と、今回の論文の筆頭著者で、米ウェスタン健康科学大学の研究者であるジェシー・アッターホルト氏は言う。「頭骨以外はすべての部分の骨片が含まれており、他のエナンティオルニス類には見られない高度な飛翔能力を発達させていたことがわかっています」

飛ぶための骨格に進化

 アッターホルト氏の研究チームは、この鳥をミラーキー・イートニ(Mirarce eatoni)と名付けた。ミラーキーはラテン語で素晴らしいという意味のmirusと、ギリシャ神話に登場するティタン神族の伝令で翼を持つArceを組み合わせたもので、イートニは化石が最初に見つかったカイパロウィッツ累層で長年研究してきた古生物学者ジェフリー・イートン氏にちなんでいる。

 化石は、1992年に論文の共著者であるJ・ハワード・ハッチンソン氏によって発見されたが、それ以来、米カリフォルニア大学古生物学博物館の棚に置かれたままになっていた。それを、同大学の大学院生だったアッターホルト氏が研究のために掘り起こした。

「博物館のコレクションにどれほど偉大な価値があるかを改めて感じました。そこには、熱心な未来の研究者によって日の目を見るのを待っている標本が数多く眠っています」。英ケンブリッジ大学の古生物学者で鳥類の化石が専門のダニエル・フィールド氏は、そうコメントした。

 さらにフィールド氏は、「恐竜時代の鳥の仲間がどのように進化したかを教えてくれる、本当に素晴らしい研究です」と述べ、7000万年以上前にエナンティオルニス類が現生鳥類と並行して進化し、同様の身体的特徴を発達させていたことが驚くほどよく説明されていると評価する。

 これまでに発見されたエナンティオルニス類は、大きさはカラスと同程度かそれよりも小さく、外見こそ現代の鳥に似ているものの、ほとんどはうまく飛ぶことができなかったとされている。しかし、ミラーキーには力強い羽ばたきに適した狭い叉骨や、飛翔に使う大きな胸の筋肉を支える竜骨突起など、現代の鳥と似た特徴が備わっている。ただ、ミラーキーの場合はこれらの特徴を現生鳥類とは別に進化させたと考えられる。

 最も興味をそそられるのは、前腕の骨にはっきりとコブ(飛羽瘤)が認められることだろう。現生鳥類の場合、このコブに飛翔用の羽が靭帯でつなぎとめられている。

「現生鳥類に見られるこのコブは、飛翔用の羽を支え、強化するためにあります。ミラーキーも進化によって力強い羽ばたきが可能になり、空を飛ぶことができたと考えられます。おそらくは、長距離飛行も可能だったでしょう」

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

あなたにおすすめの記事