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トライアウトに臨んだ佐藤世那。旧友との約束実現へ「現役を続けたい」

11/17(土) 10:30配信

webスポルティーバ

 選手を評価する重要なファクターのひとつに、“フォーム”がある。「ボールはすばらしいんだけど、フォームがね……」、「すごい打球を飛ばすが、あのスイング軌道だと上のレベルでは苦しい」。数多くいるドラフト候補を評価するときに、しばしば耳にするフレーズだ。

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 近年のドラフト候補で、その能力や実績に対する賞賛と、フォームに関する否定的な意見が同時に飛び交う選手の代表格が、佐藤世那(せな/前オリックス)だった。
 
 仙台育英高(宮城)時代は、エースとして3年時の春夏と2季連続で甲子園に出場。140キロ後半を記録する直球、空振りを誘う落差のあるフォークが冴えわたり、同校にとって2度目となる夏の甲子園準優勝に大きく貢献した。
 
 甲子園後はU-18日本代表に選出。出場した「2015 WBSC U-18ワールドカップ」では、同年のドラフト会議で1位指名を受けることとなる、高橋純平(ソフトバンク)、小笠原慎之介(中日)らを差し置き、先発投手としてベストナインを受賞した。

 能力はもとより、全国大会、その後の世界大会を含めた実績も申し分なかったが、フォームへの懸念も大きく囁かれた。佐藤のフォームは、二塁方向に大きく腕を回しながらトップを形成する“アーム式”と呼ばれるもの。「甲子園での実績は十分だが、このフォームでは確実に故障する」といった評価も散見された。

 ドラフトでの指名順位は6位。「甲子園準V右腕」の看板を鑑(かんが)みると、決して高い順位ではなかったが、「このフォームでもやれることを証明したい」という強い決意とともに、プロの世界へと飛び込んだ。
 
 しかし、現実は厳しかった。プロ入り後の3年間で一軍昇格が一度あったものの、登板はなし。2年目オフにウエスタンリーグ選抜として派遣されたウインターリーグの途中からは、コーチの勧めもあり、サイドスローへの転向を決意する。慣れ親しんだフォームへ別れを告げた心境を、こう振り返る。

「自分のフォームに対する否定的な意見を吹き飛ばしたいと思っていましたが、結果を出すことができませんでした。コーチから話を聞くなかで、チャンスを掴むためには必要なことだとも理解できましたし、自分だけでなく、チームのために必要な選択だと思って取り組みました」

 人生で初めて取り組むサイドスロー。春季キャンプでも、リリースの感覚を掴むために精力的な投げ込みを続けた。コーチの熱心な指導もあり、少しずつ手応えを感じつつあったが、それを生かすための機会に恵まれなかった。

 今季はファームでの登板も8試合。少ないチャンスのなかで2勝をマークしたものの、一軍から声がかかることはなく、オフに戦力外を告げられた。入団から2年の足踏みがあったとはいえ、サイドスロー転向後わずか1年。早すぎる“通告”だった。

「毎年いい投手が入ってくるのを見ていましたし、あるかもしれないとは思っていました。本音を言うと、『育成で残れるんじゃないか』という気持ちはありましたが……」

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最終更新:11/17(土) 10:30
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