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Apple Watchを利用した史上最大の不整脈研究と、アップルの功罪

11/19(月) 12:13配信

WIRED.jp

「Apple Watch」のユーザーに昨年11月、ある実験への参加を求めるメールがアップルから届きはじめた。「Apple Heart Study」というスタンフォード大学が主導する研究で、テーマはウェアラブル端末による心拍異常の検出だった。

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研究への参加の方法は簡単だった。アプリをインストールしたら、あとはApple Watchを装着するだけ。デヴァイスの光学センサーが不整脈を検出した場合は、専用の心臓モニターが送られてくるので、それを7日間着用する。Apple Watchのデータとの比較用である。

いかにもアップルらしく、登録と参加のプロセスは限りなくユーザーフレンドリーにつくられている。スタンフォード大学のウェブサイトにある紹介文には、こう書かれている。「アップルとスタンフォード大学医学部は、医学研究への参加を容易にすることにコミットしています。多くのデータを得ることが、命を救う発見につながるからです」

今回に始まったことではないが、ユーザー体験を重視するアップルの方針が、ここでも功を奏した。医学誌『American Heart Journal』に掲載された研究概要を解説する論文によれば、アップルとスタンフォード大学は41万9,093人もの参加登録者を集めたのだ。

驚異的な参加者数

Apple Heart Studyは、史上最大の心房細動スクリーニング研究となる。これほどの大規模研究は、研究者にとってはまたとないチャンスだ。ただし、結果(論文になるのは19年の見込み)が有望なものだったとしても、それだけで、Apple Watchが公共の利益をもたらすことが実証されるわけではない。

まずは研究の規模について。40万人という参加者数は桁違いだ。スウェーデンで行われ、15年に論文が発表された不整脈の大規模スクリーニング研究「Strokestop」でも、参加者数は約25,000人にすぎなかった。

公平を期していうと、Strokestopは、アップルよりも踏み込んだ調査を行なっている(これについては後述する)。とはいえ、アップルが1年足らずの期間でこれほどの参加者を集めたのは、驚異的というほかない。

参加者の多さは、研究の仕組みにとって強みにもなる。サンプルサイズが大きいほど、許容誤差が小さくなり、結果の妥当性が高くなる。いずれも、心臓疾患の検出を目的としたデヴァイスには欠かせない要素だ。

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最終更新:11/19(月) 12:13
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