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【現地発】ロペテギはベニテスと似たタイプの指揮官。マドリーの選手がソラーリ新監督に抱いたのは「親近感」だった

11/21(水) 21:00配信

SOCCER DIGEST Web

“戦術詰め込み型”より“自主性重視型”

サンティアゴ・ソラーリが、Bチームからの内部昇格でレアル・マドリーの監督に就任したとき、多くの選手たちが新監督に対して最初に抱いたのが「親近感」だった。

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 昨シーズンまでも、たとえばインターナショナルブレイクの間、監督のジネディーヌ・ジダンが不在の日は、Bチームと合同で練習を行なうことが何度かあり、その練習を指揮していたのがソラーリだった。つまり、多くの選手にとって馴染みの顔だったのだ。

 選手たちの間でそうした親近感を抱かせたのは、ソラーリの指導スタイルにも起因する。

 前監督のジュレン・ロペテギは、戦術つめ込み型の監督だった。2015年6月から7か月間マドリーを率いたラファエル・ベニテス(現ニューカッスル監督)も同じ部類に属する。

 翻ってソラーリは、選手の自主性を引き出すタイプの監督だ。たとえば試合前のミーティングにおいて、対戦相手の特徴や長所を説明する際も要点をかいつまんで行ない、時間は15分を超えることがない。それは練習中でも同様で、頻繁にプレーを中断してミスを指摘するような指導は決してしない。
 
 こうしたソラーリのメソッドはジダンのそれに酷似しており、事実、選手たちの間でも共通点を認める者は少なくない。ジダンは「選手に近い監督」とよく言われたが、ソラーリに対しても選手たちは同様の印象を抱いており、それが相互の信頼関係の構築に役立っている。

 しかもソラーリが優れているのは、自分の色を出すところはしっかり出している点だ。その代表的な例が、Bチーム時代にも採用していた4-2-3-1の導入である。このシステムは両サイドバックに攻撃力を、ダブルボランチに守備力を、両サイドアタッカーに1対1の突破力を求める。

 ソラーリはその導入に際し、レギュラー格のマルセロが故障による戦線離脱中の左サイドバックにナチョではなく、経験が不足するも攻撃力に秀でたセルヒオ・レギロンを抜擢。さらに両サイドアタッカーには、左にガレス・ベイル、右にルーカス・バスケスと突破型の選手を重用している。そのためにマルコ・アセンシオ、イスコという人気選手をベンチに置くことに躊躇することはなかった。

 人柄に目を向けても、ソラーリにはジダンと同じく静かで穏やかなイメージが先行する。Bチームで指導を受けた選手たちの中には、「周囲と適度に距離を置くタイプで、シャイな性格」と評する者もいるほどだ。そしてフロントからは、クラブの要望をしっかり受け入れながら忠実に仕事をこなす人物として、かねてから高い評価を得ていた。

 15日間の“試用期間”を経て、先週末のセルタ戦後、ソラーリは正式にトップチームの監督に任命された。「暫定」の2文字が取れたことで、采配にどのような変化があるのか、まずはお手並み拝見といったところだが、この監督交代を境にマドリーが「ジダン時代」へと回帰したのは紛れもない事実だろう。

文●パブロ・ペレス(エル・パイス紙/マドリー番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。

最終更新:11/21(水) 21:01
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