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がん、コレステロール、処方薬…医療を蝕む「専門家」の存在

11/26(月) 12:11配信

PHP Online 衆知(Voice)

<<医学界の通説に異論を唱え、学界では相手にされていないが、一般市民とメディアには人気の「専門家」が存在する――。誰が医療を蝕んでいるのか、医師でありジャーナリストの村中璃子氏が指摘する。>>

※本稿は『Voice』2018年12月号、村中璃子氏の「医療を蝕む『専門家」の存在」を一部抜粋、編集したものです。

医学界の最後通告を崩壊させた男

イギリスの「コクラン共同計画」は、医療に関するデータや論文を解析し、医薬品の効果や安全性など医学に関わるエビデンス(科学的証拠)を公正・中立に評価する権威ある団体である。

この通称「コクラン」が今年5月、子宮頸がんを予防するHPVワクチンの効果と安全性を高く評価するレビューを発表した。コクランの評価は、医学界における最後通告である。コクランがイエスと言えばイエス、ノーと言えばノーだ。

ところが、コクランの創設メンバーの1人で理事のピーター・ゲッチェは、この評価に反発。コクランの基準に見合った信頼性ある論文のすべてを評価の対象としておらず、子宮頸がんワクチンによる深刻な副作用を見落としている可能性があるなどとする小論を7月末から数回にわたり発表した。

これを受けたコクランの理事会は9月14日にはゲッチェの除名を決定。

ゲッチェは自らが代表を務めるコクラン・ノルディックのウェブサイトで、「コクランは中立な組織だと言いながら、その実は製薬会社の顔色をうかがった、コクランブランドを用いたビジネス」「除名の理由は態度が不適切とするだけで不明」などと反論するコメントを掲載した。

ゲッチェの除名を受け、約半数の理事が辞任する混乱に陥った名門コクランは、レビューの信頼性や組織としてのガバナンスに関し批判を浴びることとなった。

ゲッチェは、マンモグラフィーによる乳がん検診や抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の使用を否定し、医者や研究者と製薬会社との利益相反関係に厳しい批判の目を向けてきたことで知られている。

イギリスの医学界では、やっかいなカギカッコつき「専門家」と見られているが、『マンモグラフィー:真実、嘘、議論』(2012年)、『死に至る医療と組織的犯罪:巨大製薬はどうやって医療を腐敗させたのか』(2013年)などセンセーショナルなタイトルの著作をもち一般市民の支持者は少なくない。

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