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箱根に向けて東海大に朗報。人生初の試練を乗り越え、阪口竜平が復帰

11/26(月) 18:11配信

webスポルティーバ

東海大・駅伝戦記 第36回

◆上尾シティハーフマラソン(前編)

 11月18日、上尾シティハーフマラソン。箱根駅伝を目指す多くの学生ランナーの前にゲストランナーの設楽悠太、川内優輝、神野大地がスタートラインに立つ。

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 このレースには東海大学から22名の選手が参戦していた。

 上尾ハーフ(21.0975キロ)は、東海大の選手にとって箱根駅伝の通行手形を得る最後の選考レースになる。出雲駅伝、全日本大学駅伝を走った主力選手以外、これまで出雲、全日本と駅伝を走れていない選手、故障明けの選手にとっては、このレースで結果(部内順位、タイム)を出すことが求められる。

 午前9時、レースがスタート。選手たちは大きな塊となってアッという間に陸上競技場を出て行った。

 レースの状況が、時折アナウンスされる。

 5キロ地点では、阪口竜平(3年)が14分33秒でトップを走り、小松陽平(3年)も3位で続いていた。10キロ地点でライモン・ヴィンセント(国士舘大)らが先頭集団を形成すると、そのままレースを引っ張り、トップで競技場に入ってきた。

 東海大で最初に入ってきたのは、中島怜利(れいり/3年)。そのすぐうしろに阪口が続いて戻ってきた。中島が6位でゴールして待っていると、すぐに阪口が勢いよく飛び込んできた。そのままふたりは抱き合い、お互いの健闘をたたえ合う。

すると阪口は感極まったのだろう、大粒の涙をポロポロとこぼした。

「ここまでやれるとは思っていなくて……」

 阪口にとって7月からこの日まで、人生初ともいえる厳しい試練の連続だった。

 7月4日、阪口はホクレンディスタンス網走大会で2000mSC(障害)に出場した。快調に飛ばして走っていたが、ハードルを越えて着水した時、左足を思い切りくじいた。ゴールした後、病院で検査をすると左足首の靭帯損傷、踝(くるぶし)の骨が少し割れていた。

 1カ月ほど経過を観察し、そろそろ走ってみようと思い、寮から東海大のグラウンドにかなりスローなジョグで向かった。だが、その途中、平坦な道で左足を思い切りひねってしまい、靭帯が切れた。患部をギブスで固定し、松葉づえをつき、治療のために京都の実家に戻った。走り込みを予定していた夏はまったく走れずに終わった。

「陸上を始めて、こんなに長く走れないのは初めてでした。もう、すごいストレスが溜まりました。競技場で補強トレーニングをしているとみんなはポイント練習をしているんですけど、それを見るのが辛かった。出雲駅伝は、見たのは最初だけ。全日本は治療で実家から戻ってくる途中でほとんど見ていません。ケガした自分が悪いんですけど、やっぱり悔しくて、見るのがつらかったので……」

 左足を使えない状況で阪口は、リハビリと練習に集中した。

 補強トレーニングを終えた後、プールで1時間ほど泳ぎ、さらにワットバイクをこいだ。自分を追い込んで練習していたのは走れないストレスを発散させる意味もあったが、両角速(もろずみ・はやし)監督に「上尾と箱根を絶対に走れるというイメージを持って練習に取り組みなさい」と言われたからでもある。その言葉が阪口の大きな励みになっていたという。

「両角先生からは『とにかく練習量を落とさず、たくさんやりなさい』とアドバイスをいただきました。もうめちゃ練習しましたね。水泳も左足首が使えないんで、ビート板を股に挟んで1時間ぐらい泳いでいました。そうしたら上半身がムキムキになって治療の先生にも『ごつくなり過ぎだなぁ』と言われて(苦笑)。今はもう解消されましたけど、そのくらい集中して練習をやっていました」

 10月末にはポイント練習をこなせるようになり、上尾ハーフを復帰戦として調整してきた。しかし、上尾に間に合わせようとかなりハードに練習してきたせいか、体が思うように動かなくなり、レース前日までの4日間はほとんど走れずにいた。そのため、阪口はレース当日、本当に走れるのかどうか大きな不安を抱えていた。

「レース前までは練習前の集合に出ていただけで本当に走れなかったんです。前日は、さすがに走らないとレースは無理やろって思って走ったんですけど、結局1.5キロぐらいで走れなくなって……。レースに出るまで恐くて、本番はもう気合いで走りました」

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最終更新:11/27(火) 18:06
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