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左派賢人の過激な問い。"世界のトランプ化"はリベラルのせい?

11/26(月) 6:00配信

週プレNEWS

『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが、"世界のトランプ化現象"について語る。

* * *

ブラジル大統領選挙で、性的少数者や女性、黒人への差別発言を繰り返してきた極右政治家ジャイル・ボルソナロ下院議員が当選しました。国際的な右派ポピュリズムの波は、まだまだ拡大していきそうです。

この"世界のトランプ化現象"について、反資本主義の旗手として知られるスロベニアの哲学者スラヴォイ・ジジェクが、英紙『ガーディアン』のインタビューで興味深い発言をしています。まず簡単に要約すると、以下のようになります。

〈近年、AIをはじめとする科学の進歩は目覚ましく、あらゆることが可能な時代になった。にもかかわらず、われわれは税金をまともに再分配することすらままならない。リベラル資本主義のコンセンサスはすでに破壊されている。

それを破壊したのは、言うまでもなくグローバリズムであり規制緩和だが、今、リベラル陣営はグローバル経済の構造自体の欠陥に関する議論よりも、倫理やモラル、多様性、ゲイライツ、人種差別といった"小さな問題"にばかり注目するようになっている。

本筋から逃亡し、"正しい側"の席に座り、"正しいこと"を叫ぶだけでは何も変わらない。左派が本質的な原因に目を向けることなく、本来すべき役割を果たさないからこのような社会になっているのだ〉

ジジェクは、リベラル陣営がトランプら右派政治家の言動ばかりに目を奪われるのは「バカげている」と喝破(かっぱ)します。極右の再興はあくまでもグローバリズムの暴走、格差の拡大による"二次的な症状"である。

にもかかわらず、右派陣営に煽(あお)られるがままに、反差別や多様性といった"些末(さまつ)なこと"を追いかけても、この社会はよくならない。いや、むしろ右派ポピュリズムは拡大していくだけだ――。

身もふたもない言い方をすれば、ジジェクは「左派はきちんとゼニの話をしろ」と言っているのです。

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最終更新:11/26(月) 6:00
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