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47歳のデリヘル嬢、キャリアウーマンからマイルド貧困に転落した軌跡

11/28(水) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、新たな貧困層が生まれてきた。それは、どん底一歩手前の「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第14回は、キャリアウーマンから風俗嬢へと転落し、マイルド貧困に陥った女性の軌跡を追った。(ライター 根本直樹)

● 夫の急死、義母の介護で 人生が一変

 ふんわりとした栗色のパーマヘアに上品な顔立ち。一見セレブな奥様風だが、彼女の職業は「デリヘル嬢」。なかなかの売れっ子だ。

 櫻子(仮名・47歳)は現在、埼玉県のベッドタウンにある築二十数年の一軒家に義母(79歳)と2人で暮らしている。今から5年前に飲食店を経営していた夫が心筋梗塞で急死すると、彼女の人生は一変した。

 それまでは、宝飾品販売会社の営業課長というキャリアウーマンだったのだが、今度は同居の義母が認知症になってしまったのだ。カルピスサワーを飲みながら、ほろ酔い気分の櫻子は饒舌に語り始めた。

 「主人が経営していたレストランは全然ダメ。赤字続きでそろそろ閉めようかと考えていたとき、急死しちゃったの。その整理が大変だったんです。従業員への補償とか、店舗の原状回復とかいろいろ。それで死亡保険金はほとんど消えちゃった。そのあとは、助けてくれる子どももいないから、とにかくお義母さんの世話が大変でした。転んでケガをしたり、徘徊したり、1人にしておくと危ないでしょ。だから、泣く泣く会社を辞めることにしたんです」

 営業課長時代は年収600万円を稼いでいたが、そこから長年、夫の店の回転資金を補填するなどしていたため、貯金は400万円程度しかなかったという。

 「お義母さんなんて見捨てて一人暮らしでもしておけば、こんなに苦労することもなかったのにと考えるときもあります。でも、私、古いところがあって、そういうことはできないんですよね。お義母さんとの仲も悪くはなかったし、一人にはさせられないなぁって」

● 熟女パブから熟女デリヘルへ 週3勤務で月収50万円

 夫が亡くなった当初は、蓄えと義母の年金などで何とか暮らしていたが、自宅の風呂をバリアフリー化するなど介護関連費用がかさみ、次第に経済状況が悪化。今から2年半前、櫻子は夜の仕事を始めた。

 「自宅のある駅から近い大宮の熟女パブで、ホステスのアルバイトをはじめたんです。長いこと営業の仕事をしていたので、接客の仕事自体は特に苦もなくこなすことができました。でもね、お義母さんに夜ご飯を食べさせてから出勤するんだけど、とにかくその後が心配なのよ。昼はデイサービスもあるけど夜は1人きりでしょ。あるとき私が仕事中、部屋の中で転んで足首を骨折しちゃったの。それでもう夜の仕事はダメかなって。時給も1500円程度で安かったから、昼の仕事を探すことにしたんです」

 半年ほどでパブをやめた櫻子は思い切った決断をする。

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